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2005年12月14日(水) 00時00分

姉歯証言、木村建が偽装脅迫「鉄筋減らせと迫られた」ZAKZAK

仕事失うかも「病気の妻抱え、屈した」

 【ストレス太り】

 姉歯氏は午前9時25分ごろ、衆院第1委員会室に登場した。顔はかなりふっくらとし、トレードマークの厚い前髪も微妙に変化。カメラのフラッシュに何度も目をしばたたかせた。

 まず、宣誓書を朗読し、力をこめて署名・捺印(なついん)。委員長の人定質問に、「姉歯秀次です。現在、無職であります」と答え、注目の証言が始まった。

 構造計算書の偽造を始めた時期について、「1998年ごろ、木村建設の篠塚明元東京支店長(45)に、鉄筋量を減らすよう相当プレッシャーをかけられた。(偽造物件は)記憶の範囲では60前後」と応じた。

【最初はGS池上】

 最初の偽造物件を問われると、国交省の調査でも明らかになっていなかった「グランドステージ池上」と初めて証言し、打ち合わせの同席者として篠塚氏を名指しした。

 篠塚氏に「予算が合わないから鉄筋を減らせ」と迫られ、「これ以上無理と言った。違法をしてまでのもの(要求)と感じた」と告白。篠塚氏が違法を知りながら、偽装を強制したとの認識を示した。

 「1級建築士の誇り、責任を感じなかったか」と聞かれると、苦しい心境を吐露した。

 「始まりはプレッシャーをかけられ、誇りもあって『(偽装は)できない』と思っていた。病気がちの妻が入退院を繰り返し、9割以上が木村建設がらみの仕事だったので、(断ると)収入が限りなくゼロになる。自分の中で葛藤(かっとう)した。本来、絶対にいけないとわかっていたが、弱い自分がいた。途中の段階でも何度も『仕事がなくなってもいい』と思ったが、弱い自分がおり、今にいたった」


委員が示したパネルを首をかしげてのぞき込む姉歯氏=14日午前10時2分、衆院第1委員室 【無理ですよ】

 グランドステージ池上以前にも偽装はあったのか。姉歯氏は「それ以前は、篠塚元支店長と会うことはほとんどなく、なかったと思う」と、篠塚氏が偽装の中心にいたことを明らかにした。木村建設側の違法性の認識にも、「『これ以上できない』という私の言葉には違法性のニュアンスが含まれており、認識していたと思う」と語った。

 総合経営研究所(総研)の内河健所長(71)との接点に注目が集まるが、姉歯氏は「平成設計の先代社長の葬儀(平成15年5月)で、話はしなかったが、お会いした」と説明。また、「東京・平河町の総研本社で、1時間ほど講師をやった。いつだったかは忘れたが、4−5年前だったと思う」と述べた。内河氏は今月初めの会見で、姉歯氏との面識は「ない」としている。

 ヒューザーとの関係は、「コスト削減や、鉄筋量の削減の指示はなかったか」と問われ、「直接はないが坪単価の指定はあり、影響はあったと思う」と証言した。

 「『法令違反になる』と伝えなかったか」との問いには、「ヒューザーとの直接の打ち合わせはなかったが、その都度(木村建設を通じ)『無理ですよ』と伝えていた」と答えた。

 姉歯氏は偽装物件数について、国交省の聴聞で21件、委員長からの質問で60件くらいと答えている。三日月大造委員が「いったい、いくつの偽装を行ったか」と聞くと、「わかりません」。偽装のノウハウは「独自に考えた」と述べた。


証人喚問に応じた後、無表情のまま足早に車に乗り込む姉歯元建築士=14日午前11時53分 【それでもやれ】

 木村建設からも「毎回ではないが、一覧表があり、通常80−100キロのところを60キロとか」と、具体的な数値で低減の指示があったことを明らかにした。

 姉歯氏は木村建設が法令違反になるとは言及しなかったが、木村側の執拗(しつよう)な要求には声のトーンを上げた。

 「『これ以上できません』というと、『事務所を変えてもいいんだよ』と、構造事務所はおまえんとこだけじゃない、と言われた。無理ですとは再三伝えているが、それでもやれと言われた。(低減を迫られるのは)池上から始まって、ずっとです」

 姉歯氏は篠塚氏から架空請求書を求められていたが、「振込用紙4枚と機械で処理したものを含めてだいたい7回。200万円前後を2、3年前から」と具体的に証言した。

 また、民間検査機関「イーホームズ」の審査の甘さを「(構造計算書を)見てないというのが実情だと思う」と厳しく指摘し、「物件によって担当者が違うし、最速2週間の審査では数字を見るのは実質数時間しかない。質問項目も、誰が見ても分かるような単純な項目」とズサンな実態を暴露した。 

■姉歯氏の証言骨子

 14日の衆院国土交通委員会に臨んだ姉歯元1級建築士の証言骨子は以下の通り。

 一、木村建設元東京支店長の篠塚明氏からのプレッシャーが偽装開始のきっかけ。元支店長に「違法をしてでも」という意図を感じた。

 一、偽装の最初は98年ごろ。物件はグランドステージ池上。記憶しているのは計60件前後。

 一、1平方メートル当たりの鉄筋量について、元支店長は通常80〜100キロのところ、60キロとか具体的な数字を一覧表で提示。

 一、耐震計算プログラムで入力数値を通常の0.5とか0.4にして構造計算書を偽造した。

 一、元支店長への謝礼は7回ぐらい。総額で約200万円。「ダミーの請求書を上げろ」と言われた。

 一、指示を断り仕事が無くなってもいいと思ったこともあるが、弱い自分がいてそれができなかった。

 一、元支店長には「これ以上無理だ」といったが「事務所を変えてもいいんだぞ」といわれた。

 一、総合経営研究所の内河健所長は、葬儀の時に擦れ違っただけ。名刺交換もない。総研本社のセミナーには、講師として出席した。

 一、ヒューザーから直接コストダウンの指示はなかったが、打ち合わせで「坪単位いくらでやってくれ」といわれ、全部に影響すると思う。

 一、イーホームズの審査は明らかに通りやすい。見ていないのが実情だった。

ZAKZAK 2005/12/14

http://www.zakzak.co.jp/top/2005_12/t2005121425.html