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2005年12月14日(水) 15時26分

「木村建設違法性認識あった」 耐震偽装姉歯氏証人喚問産経新聞

最初は平成10年、元支店長圧力
 耐震強度偽装問題で、衆院国土交通委員会は十四日午前、構造計算書を偽造した姉歯秀次・元一級建築士(48)を証人喚問した。姉歯氏は、「木村建設」(熊本県八代市)の篠塚明元東京支店長(45)を名指しして「鉄筋量を減らすよういわれた」と証言、木村建設側の違法な指示が原因と指摘。さらに篠塚元支店長には法令違反の認識が「十分あったと思う」と述べた。午後は木村建設の木村盛好社長(73)と篠塚元支店長を同席で喚問。篠塚元支店長は「姉歯さんの偽造に一切関与していない」と述べ、「強い圧力をかけたとは認識していない」と“姉歯証言”に反論した。
 姉歯氏は同委員会の参考人招致を「体調不良」を理由に二回とも欠席しており、国会での証言は初めて。これら三人のほか午後はさらに経営コンサルタント「総合経営研究所」(総研、千代田区)の内河健所長(71)に対しても証人喚問が行われる。
 木村建設の要求について姉歯氏は「法律に触れるのでこれ以上の削減は無理と(篠塚元支店長に)何度も伝えたが『予算に合わないからやり直してくれ』といわれた」と述べた。
 要求に従ったことについて姉歯氏は「当時、仕事の90%くらいを受けていた木村建設の篠塚明元支店長から、鉄筋を減らすよう相当のプレッシャーをかけられたため」と、大幅な収入減となることを恐れたと弁明した。
 姉歯氏は、偽装を始めた時期についてはこれまで、千葉県の調査などに対し平成十五年ころからとしていたが、十年ごろと答えた。件数についても、国交省の聴聞では「二十一件でほかはよく覚えていない」としていたが、計六十件前後だったと述べた。最初の物件は、売り主の中堅マンション販売会社「ヒューザー」(東京都千代田区)と行政の間で耐震強度不足をめぐる判断が割れていた東京都大田区のマンション「グランドステージ池上」と明らかにした。
 偽装の方法は「自分で考えた」とし、チェック体制については「偽装は単純なのですぐばれると思った」と繰り返し、「イーホームズ」(新宿区)などの確認検査機関の検査については「(書類を)見てないということだと思います」と証言した。さらに建築現場に常駐する一級建築士も「簡単に見抜ける」と述べた。
 また、ヒューザーから圧力があったかについては、「直接的には私にはない」としながらも、打ち合わせ段階で坪単価が低く指示されるため「仕事に負担がかかる」と述べた。
 耐震強度不足が判明したホテル建設に深くかかわった総研の内河所長については「四、五年以上前に研究所のセミナーで講師をした」「話はしなかったが会ったことはある」と述べ、親密な交際はないとした。
 ≪一切関与ない 元支店長≫
 木村建設の木村社長とともに午後からの証人喚問に立った篠塚元支店長は、「偽装には一切関与していない。強く圧力を掛けた認識はありません」と否定した。
 篠塚元支店長は今回の問題について、まず「マンションの購入者、ホテルオーナーに本当に申し訳ない」と謝罪した。
 姉歯氏に「鉄筋を減らせ」と指示したかどうかを問われると、参考人招致時と同様、「言ったかもしれないが、法令の範囲内です」と答え、「姉歯氏はプロなので、法令を犯すとは考えなかった」と主張した。
 また、リベートについて「私の営業経費捻出(ねんしゅつ)だった。姉歯氏から回してもらったのは平成十四年八月から十五年八月まで、計七回で約二百二十万円だった」と述べた。
     ◇
【用語解説】証人喚問
 国会の国政調査権に基づく証人喚問は、平成14年の北方四島支援事業疑惑の鈴木宗男衆院議員に対する尋問以来。ロッキード事件で証人が「記憶にございません」と繰り返したり、宣誓書に署名する手が震えたりする生々しい映像が昭和51年、テレビで生中継され、関心を集めた。63年のリクルート事件をきっかけに尋問中の撮影は禁じられ、中曽根康弘、竹下登、細川護煕元首相らの喚問は静止画像と生音声で放送された。平成10年に議院証言法が改正され、翌年、商工ローンの社長喚問で20年ぶりに生中継。9年には入院中の友部達夫元参院議員に対し、出張尋問が行われた。
(産経新聞) - 12月14日15時26分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051214-00000023-san-soci