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2005年12月14日(水) 18時02分

風邪薬を原料に覚醒剤を密造WIRED

 ワシントン発——覚醒剤メタンフェタミンの原料となる成分を含む風邪薬を販売する場合、店のカウンターの後ろに置いておくことを義務づける法律が、年末までに米連邦議会で可決される見通しだ。

 この規制は、8日(米国時間)に合意に達した、『米国パトリオット法』の改正内容に含まれている。議会ではこれによって、特に米国の農村部で深刻化しているメタンフェタミンの売買を阻止したいと考えている。

 多くの州ではすでに、プソイドエフェドリン——メタンフェタミンの製造に使用される——成分を含む風邪薬の販売を規制する措置がとられている。連邦法が成立すれば、メタンフェタミンの密造者たちが規制の緩い州に移って製造を続けることを阻止できる。

 薬の小売店は『スダフェド』(Sudafed)や『ナイキル』(Nyquil)などの風邪薬をカウンターの後ろに置くことを義務づけられ、消費者は購入できる(成分の)量を1日では3.6グラム(およそ120錠分)、30日では9グラム(およそ300錠分)に制限される。また購入時には、写真入りIDの提示と購入台帳への記名が要求される。

 こうした規制がターゲットにしているのは、風邪薬を大量に購入して、そこからプソイドエフェドリンを抽出しようとするメタンフェタミンの密造者だ。

 今回の法案は、30日の制限について数ヵ月間議論を重ね、ようやくたどり着いた妥協案だ。上院でこの法案を強く推した、 http://talent.senate.gov/default.cfm?CFID=24401274&CFTOKEN=66253254 ジム・タレント上院議員(共和党、ミズーリ州選出)と http://feinstein.senate.gov/ ダイアン・ファインスタイン上院議員(民主党、カリフォルニア州選出)は、メタンフェタミンの蔓延を阻止するにはこの制限が必要だと主張した。

 「この法案の狙いは、プソイドエフェドリン成分の入った製品がメタンフェタミン密造者の手に渡らないようにするための、強力な基準を作ることだ」と、ファインスタイン上院議員は語った。

 この法案では、薬局のある店が該当する薬を薬局カウンターの後ろに置くことが義務づけられる。薬局のない店の場合は、米麻薬取締局(DEA)から承認を受ければ、カウンターの後ろに鍵のかかるケースを置き、その中に該当する風邪薬を保管して販売できる。

 米国の食料品店などの小売店を代表する業界団体、『 http://www.fmi.org/ 食品マーケティング協会』のティム・ハモンズ理事長兼最高経営責任者(CEO)は次のように述べた。「われわれは現在の妥協案に満足している。この案は当局の抱える重大な懸念に応えつつ、安全で効力のある製品を入手したいという消費者の要求とのバランスも保っている」

 ハモンズCEOは、オクラホマやアイオワなどの州にあるようなさらに強い規制を、連邦法案に織り込んでいないことを残念に思っていると述べた。これらの州では、風邪薬は薬局のカウンターでの販売に限定されている。少なくとも37の州が風邪薬の販売を規制する法律を制定し、メタンフェタミン密造者の手に重要な原料が大量に渡らないようにしている。

 『Kマート』、『ウォルグリーン』、『ターゲット』、『ウォルマート・ストアーズ』などの大手小売店の多くが、消費者の風邪薬の購入を規制、または店での風邪薬の販売を規制するガイドラインをすでに採用している。

 一部の製薬メーカーでは風邪薬の成分を、プソイドエフェドリンから、メタンフェタミンの製造には使えないフェニレフリンなど他の成分に切り替えている。『スダフェドPE』という新製品はすでに店頭に並んでいるが、旧スダフェドもまだ販売されている。

 今回の法案では、メタンフェタミン密造の摘発を目的として州や各地方の警察当局で行なう訓練のために、今後5年間で1億ドル近くが支出され、麻薬密売人を起訴するための予算も拡大されることになる。

 タレント上院議員はこの法案を、「議会がこれまでに検討したなかで最も厳しいメタンフェタミン対策法案」と表現する。このまま成立すれば、家庭用洗剤やコーヒーフィルターといった日用品を利用して違法な薬物を作り出す密造所の数を減らせるだろうと、タレント上院議員はみている。

 メタンフェタミンの問題は、米国中西部で特に深刻だ。刺激臭の出るメタンフェタミン密造所にとっては、中西部の人口の少ない地域がかっこうの隠れ場所となる。ミズーリ州で昨年1年間に摘発されたメタンフェタミン密造所の数は2700を超える——これは他のどの州よりも多い。

 今回の法案は、共和党の院内総務たちがテロリズム対策法案への投票を要求する来週はじめに可決されると見られている。米国パトリオット法が市民的自由を脅かすと主張している一部の反対派は、内容が変わらない場合は議事妨害も辞さないという構えだ。

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(WIRED) - 12月14日18時2分更新

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