2005年12月09日(金) 00時00分

東急系でも耐震偽造 小金井の賃貸マンション （東京新聞）

　構造計算書が偽造された事件で、東急グループの道路建設業「世紀東急工業」（東京都港区）は八日、東京都小金井市本町のマンションで姉歯秀次元一級建築士（４８）による構造計算書の偽造と強度不足を確認したと発表した。構造計算書の作成年月日は一九九八年十二月十日。国土交通省が把握している六十二棟よりも古く、七年前から偽造していた疑いが浮上した。

　同社によると、このマンションは賃貸の「アーバン武蔵小金井」（九階建て、五十六戸・一店舗）。委託した設計会社がコンピューターで再計算した結果、計算過程の数値が偽造され、一階の柱などの強度が不足していることが分かった。建築基準法が求める強度の５３％という。

　同社は二年前に建築事業から撤退したが、破産した木村建設（熊本県）が絡む過去に建設した物件を調べ、判明した。名義上は設計、施工とも世紀東急だが、木村建設に下請け発注し、構造計算を姉歯元建築士が行っていた。

　木村建設に発注した理由について、同社は「工期が短いと評判で、試しに使った」としている。

　設計会社から七日に偽造と強度不足の連絡があり、八日に入居者に今月中の一時退去を要請、補強工事をする。移転費用や迷惑料を支払うほか、敷金、礼金の返却も検討している。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20051209/mng_____sya_____010.shtml