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2005年12月06日(火) 00時00分

男の「感動」ネットで伝える読売新聞

 ネットで知り合った2人が、ネットを使って男のロマンを実現した。小学校教員の田中千尋さんとシステムエンジニアの前嶋美紀さん。実現したのは北欧スウェーデン最北の地からのリアルタイムオーロラ中継(http://porjus.net)である。

 10年前、田中さんがスウェーデンに出かけ、初めてオーロラを見たのが始まりだった。水彩画家としても知られる田中さんは、その美しさに感動する。以来、毎年のように出かけ、いつかはこの感動をみんなに伝えたいと願っていた。

 一方、前嶋さんは昨年秋、浅間山噴火のネット中継にかかわった。そして北軽井沢の山荘にウェブカメラを設け、独自の浅間山中継をしていた田中さんを知り、なんとかオーロラの感動を広く伝えたいという田中さんと意気投合する。

 そうなれば話は早い。同じ浅間山中継で知り合った群馬大・早川由紀夫教授の科研費からの協力もあって、この夏、田中さんは機材を抱えて現地に飛んだ。人口400人のポルユス村。定宿にしているオーロラ写真家の一室にデジタル一眼レフカメラ、高感度ビデオカメラ、ウェブカメラの3台を設置する。だが、3台をパソコン、ルーターを介して前嶋さんの会社に設けたサーバーに接続する作業は困難を極めた。トラブル解消のためにメカに強い前嶋さんとのメールのやり取りは「500通を超えた」という苦労も味わった。

 その甲斐あって、「ポルユス・ノルシェン(オーロラの意)・プロジェクト」のサイトから常時、世界に向けて時々刻々、踊るように変化するオーロラ画像が発信されている。同時に、過去のベストショットと動画を収めたアーカイブを楽しむことも出来る。

 「感動することは簡単。でも、その感動を人に伝えるのは至難」という田中さん。この冬も、機材の交換とともに、今は1方向のカメラセットを将来は3方向にすべく、その専用小屋の確保やより高速な回線確保の下準備に出かける。帰ってくればスポンサー探しだ。それもこれも感動をもっと伝えたいからだ。(ITジャーナリスト 島田範正)

http://www.yomiuri.co.jp/net/column/kougengaku/20051206nt07.htm