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2005年12月06日(火) 03時22分

国交省、姉歯建築士を告発…来週にも一斉捜索読売新聞

 耐震強度偽装問題で、国土交通省は5日、構造計算書の偽造により強度不足の建物を建てさせた建築基準法違反の疑いで、姉歯建築設計事務所(千葉県市川市)の姉歯秀次・1級建築士(48)を警視庁に告発した。

 これを受け、警視庁と千葉、神奈川両県警は今週中に合同捜査本部を設置したうえ、来週にも、姉歯建築士の事務所など関係個所の一斉捜索に乗り出す方針。同問題は先月17日の表面化から1か月を待たずに、刑事事件に発展する見通しとなった。

 今回、国交省が告発対象として絞り込んだのはいずれも完成済みの都内の建物で、「グランドステージ稲城」(稲城市)、「グランドステージ東向島」(墨田区)、「STAGE大門」(港区)のマンション3棟と、ホテル「京王プレッソイン茅場町」(中央区)の計4棟。

 告発状によると、姉歯建築士は、2003年2月〜04年6月の間に建築確認が行われた4棟の構造計算の際、地震で建物にかかる外力の数値を小さくするなどして構造計算書を偽造。耐震強度が基準に満たない建物を建てさせた疑い。

 同省では、4棟の建築主や施工業者などが、今回の問題の主要な関係当事者を含んでいるとして、告発対象に選定。稲城市と墨田区の2棟の分譲マンションは開発会社「ヒューザー」(東京都千代田区)が建築主で、港区のマンションと京王プレッソインは実質的な設計、施工をいずれも熊本県八代市の建設会社「木村建設」(破産手続き中)が請け負っていた。

 同省の再計算では、4棟の耐震強度は必要な基準の26〜33%しか満たしておらず、いずれも震度5強の地震で倒壊の恐れがある。

 国交省では5日現在、全国の計55棟で構造計算書の改ざんを確認しており、コンサルタント会社「総合経営研究所」(千代田区)が関与したものを含め、4棟以外の物件についても警視庁などの要請に応じて、資料を追加提出する方針。また、木村建設の関連会社の「平成設計」など元請け7社についても近く同法違反で追加告発する。

 同省建築指導課では「姉歯建築士は、破格の設計料を得るなどの利益は得ておらず、なぜこうした偽装を行ったか、捜査当局には全容を解明してほしい」と話している。

          ◇

 千葉県は5日、姉歯建築士に対する聴聞を開いたが、姉歯建築士は「健康上の理由」で欠席した。同県は「本人に弁明はない」と判断、県建築士審査会の同意を得て、姉歯建築設計事務所の登録を取り消した。
(読売新聞) - 12月6日3時22分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051206-00000001-yom-soci