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2005年12月06日(火) 00時00分

国交省、姉歯建築士を告発 『関与全員の責任追及を』 東京新聞

 五日、姉歯秀次一級建築士(48)を建築基準法違反容疑で告発した国土交通省は、都内の四つの物件を告発対象とした。対象となったマンションの住民は「早く責任の所在を明らかにして」と、警視庁の捜査に期待を寄せた。事件捜査とともに、制度の見直しを急ぐよう望む声も。一方で周辺住民からは、捜査対象となったことで建物の解体がどうなるのかを懸念する声も出た。 (荒井六貴、小嶋麻友美、近藤晶)

 「なんで姉歯氏一人だけなんでしょうか」。墨田区の「グランドステージ東向島」(三十六戸)住民の男性(33)は語気を強めた。「姉歯氏に仕事を投げた設計事務所の責任も、追及してほしい」

 別の男性(45)も「真相を解明し、今後の損害賠償請求のためにも、(姉歯氏以外にも)具体的な個人名を明らかにしてもらいたい」と希望する。

 稲城市の「グランドステージ稲城」(二十四戸)に住む女性も、「かかわった人たち全員の責任をきちんと追及してほしい」と期待する。

 一方で七十代の男性は「告発は当然」としながらも、「営利を求める民間に検査業務を開放した、国の責任がなくなるわけではない。制度を正さなければ、再び同じ問題が起きる」と危惧(きぐ)した。

 四十代の男性は「もう少し早くてもよかった。捜査の手が伸びる前に、関係者が証拠隠滅した可能性もあるのでは」と指摘。「政治家の関与も含めて、とかげのしっぽ切りにならないようにしてほしい」と話した。

 ただ、「罪に問うことはできても、(ヒューザーなど関係者に)補償の支払い能力はない。安心できる生活を取り戻すのが住民の願い。苦しい立場に変わりはない」と複雑な思いを吐露した。

 港区芝大門二の賃貸マンション「ステージ大門」では、すでに全八戸が退去。建築主のシノケン(福岡市)は今月中旬から解体に着手する方針を示しており、地元町会と工事協定書を結ぶ準備を進めている。しかし捜査対象となり、解体が遅れる可能性が出てくる。

 町会の菊嶋宏会長(74)は「解体の計画に支障が出ないか心配。近隣としては一刻も早く解体してほしい。今後、この建物がどうなるのか、説明がほしい」と不安げだ。

 港区建築課も「区民の不安を取り除くため、できるだけ早く解体してもらう考えは変わらない。現場検証は解体と並行して進めてもらいたい」と話す。

 中央区のホテル「京王プレッソイン茅場町」も対象となった。同区建築課は「(国交省に)事前に知らせてほしかった」としつつも、「行政の調査には限界がある。今後の捜査での全容解明に期待したい」と話した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20051206/lcl_____tko_____000.shtml