悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2005年12月02日(金) 00時00分

住民『心に喪失大きい』 鶴見のマンションきょう使用禁止命令 東京新聞

 マンションなどの耐震強度偽造問題で、横浜市から使用禁止命令が二日に発令されることになり、横浜市鶴見区の「コンアルマーディオ横濱鶴見」の住民たちは、新築マンションに入居してわずか二−三カ月で退去しなければならなくなった。補償が受けられるかどうかは不透明で、ローンだけが残る懸念もあるが、住民は「経済的な心配はもちろんだが、家族が心の部分で失っているものがとても大きい」と精神的なショックの大きさを語っている。  (金杉 貴雄)

 「二十年も賃貸の部屋で我慢して、こつこつと働いてきてやっと手に入れた家なのに。それが、たった三カ月でこんなことに…」。住民の女性の一人は、悔しさに表情をゆがめながら話した。

 夫婦二人暮らしで共働き。危険なマンションから早く退去しなければならないとの気持ちは強いが、仕事や連日の協議で転居先を探すひまもなかった。住民の中には受験を控える子どもを抱え、費用の問題に加え、学校の問題などから転居を決めかねている家庭もあるという。

 「もし、地震で自分の部屋が崩れて下の部屋の子どもたちの命を奪ったらと思うと気が気ではない。それこそ生きていけなくなる」と、この女性は日を追うごとに募る不安を口にした。

 住民の中では、男性より女性に精神的に参っている人が少なくないようだ。なかには阪神大震災を体験し、購入前に「大震災でも耐えられますか」とヒューザー社員に尋ね、「大丈夫」との答えを聞いていただけに、大きなショックを受けている人もいる。

 横浜市から二日に使用禁止命令が出されることになったが、退去の必要性は理解していても「精神的にも物理的にも、荷物の整理に手がつかない」というのが、多くの住民の実情だ。「何とか住民同士が励まし合い、助け合っていかなければいけない」と住民は話している。

 市によると、一日までに全十九世帯のうち六世帯から市営住宅への入居申し込みがあった。また一世帯が、一定の所得以下の世帯を補助対象とする民間住宅を希望。このほか市が紹介した住居以外への転居を検討している世帯もあるという。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20051202/lcl_____kgw_____000.shtml