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2005年11月26日(土) 16時00分

「少ない資金で」甘言で誘い、先物取引業者続々破たん読売新聞

 ドルやユーロなど外国為替の相場を利用し、差益を稼ぐ先物取引を巡って、取引業者の破たんが相次いでいる。

 8月以降、少なくとも27社。7月からの規制強化が背景にあるが、破たん直前に資産を別会社に移した疑いのあるケースもある。

 金融庁、証券取引等監視委員会は業者の監督や集中検査に乗り出し、7月以降、既に延べ39社に業務停止命令を出している。

 「少ない資金で取引できます」。埼玉県の60歳代の女性宅には、昨年10月ごろからこんな電話が頻繁にかかるようになった。株を売り、まとまった資金ができた直後のことだ。勧誘を受けたのは、「外国為替証拠金取引」。元手となる金(証拠金)を業者に預け、その数倍から数十倍もの外貨を売買、為替相場の変動で差益を得る仕組みだ。少ない元手で多額の売買をできる反面、リスクも高い。

 この女性は、東京・新宿区の取引業者に500万円を預けたが、同社は今年10月20日に事務所を閉鎖し、破産手続き中。会社からは証拠金の返還も説明もなく、「夜逃げのように連絡を絶つのはひどい」と憤る。

 元社員らによると、同社は顧客と自社の資産を分けて管理しておらず、経営陣は破たん直前、役員の親族企業を経由して約8000万円を別の同取引業者側に送金。この会社を買収し、一部の社員を移籍させた。社長は「顧客である役員の親族企業に返金しただけ」とするが、元社員らは「顧客資産を買収資金の一部に流用した疑いがある」と、関東財務局に通報したという。
(読売新聞) - 11月26日16時0分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051126-00000307-yom-soci