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2005年11月22日(火) 00時00分

発覚21棟以外にも疑い 耐震強度偽造 五反田のホテル休業 東京新聞

 首都圏のマンションなどの建築確認に偽造した構造計算書が使われた問題で、東京都内にホテル七店を経営する「京王プレッソイン」(新宿区)は、品川区の「京王プレッソイン五反田」でも構造計算書改ざんの疑いがあるとして、同ホテルの営業を二十一日から休止した。倒壊が心配される他の建物と同様に姉歯(あねは)建築設計事務所(千葉県市川市)が構造計算を担当していた。 

■建設中マンションは解体

 同設計の姉歯秀次一級建築士(48)は「国土交通省が指摘した二十一件が(偽造の)すべてだ」と話していたが、表面化した二十一棟以外にも構造計算書が偽造された可能性が出てきた。

 ホテルの営業停止は「京王プレッソイン茅場町」に続き二件目。

 問題発覚後、同社は他の系列ホテルを調査。その結果、「五反田」の構造計算書で、柱や梁(はり)にかかる荷重条件の数値が改ざんされた痕跡を確認したという。構造計算書の再計算が終了していないため、強度不足を示す数値は不明だが、建築基準法に違反する疑いがあるとして、当面の営業停止を決めた。

 同社によると、「五反田」は百七十二室で、建築費は約六億円。構造計算書の偽造が問題となっている二十一棟のうち、既に完成している十四棟の半数以上を施工したとされる中堅建設会社の木村建設(熊本県八代市)が施工し、建築確認の検査は、指定確認検査機関「イーホームズ」(新宿区)が行ったという。

 系列七ホテルのうち、木村建設と姉歯建築設計の組み合わせで施工と構造設計を担当したのは四ホテル。うち二ホテルで構造計算偽造の疑いが判明したが、同社は「現段階で他のホテルに改ざんはない」としている。

 同社は「姉歯建築設計に構造設計を担当させたのはわれわれではない」と説明。木村建設については「最初はコンサルタントから紹介された。その後は複数社の建築費の見積もりの中で最も安い見積もりだったためではないか」としている。

 国交省は同日、対象となる全二十一棟の建物名と耐震性を計算し直した結果を公表。震度5強程度の地震で倒壊の恐れがあるのは完成済み十四棟のうち十三棟で、残る一棟も震度6強の地震で倒壊する可能性があることが判明。工事中・未着工の七棟も三棟が震度5強で倒壊の恐れがあった。このうち建設中の千葉県白井市のマンションについて、施工主の木村建設は同日、解体の方針を同県に伝達。北側一雄国交相は、姉歯建築設計の早期の刑事告発を目指し、警視庁などと調整していることを明らかにした。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20051122/mng_____sya_____005.shtml