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2005年11月21日(月) 14時40分

3棟は無資格設計、姉歯建築士が名義貸し…耐震性偽装読売新聞

 マンションなど21棟の耐震強度偽装問題で、構造計算書を偽造していた「姉歯(あねは)建築設計事務所」(千葉県市川市)が、3棟のマンションについて、実際には設計の元請け業務をしていないのに、「建築基準法上の設計者(元請け設計者)」として届け出ていたことが21日、読売新聞の調べでわかった。

 同事務所の姉歯秀次・1級建築士(48)は、名義を貸した建築デザイナーに対し「いっしょに仕事がしやすい」という理由で、今回問題になっている民間の指定確認検査機関「イーホームズ」(東京都新宿区)を紹介していたという。国土交通省では、名義貸しは通達違反で、建築士法により処分対象になるとしている。

 姉歯建築士が名義を貸していたのは、建築のデザインを手掛ける「秋葉設計」の秋葉三喜雄代表(45)。秋葉代表は、千葉県船橋市の不動産・建設会社「サン中央ホーム」が開発、施工した同市内の強度偽装マンション3棟について、同社との間で契約を結び、全体の設計を取り仕切ったが、この3棟の建築基準法上の設計者として届けられていたのは姉歯建築設計事務所だった。

 秋葉代表によると、姉歯建築士とは10年来の付き合いで、以前から取引のあったサン中央ホームの仕事について、6年ほど前から姉歯建築士と「チームのような形」で仕事をするようになった。問題の3棟の設計を請け負うことは、サン中央との話で決まったが、秋葉代表は1級建築士の資格を持っておらず、建築基準法上、設計の元請けにはなれないため、姉歯建築士に名義貸しを頼んだという。

 秋葉代表が、ほとんどの偽装マンションの建築確認などの検査を行った指定確認検査機関のイーホームズを紹介されたのは2年前。姉歯建築士から、それまでの検査機関を替えた方がいいと言われたという。

 姉歯事務所から名義を借りていたことについて、秋葉代表は「まったく関係のない第三者の名義を使ったわけではないので、それほど問題はないのではないか」と釈明した。

 同事務所については、「法律をクリアできるぎりぎりの設計ができる、優秀な、建築士だと思っていた。現場からも『施工しやすい』という声を聞いたので信頼していた。偽造には全く気付かなかったが、サン中央に姉歯事務所を紹介したウチの責任も重大だ」と話している。一方、サン中央ホームは「問題が表面化するまで、姉歯建築士とは全く面識もなかった。偽造されたものが検査に通るなどとは全く思わなかった。(建築主、設計者、施工者が)三位一体の責任などと言われるのは心外だ」としている。
(読売新聞) - 11月21日14時40分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051121-00000006-yom-soci