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2005年11月20日(日) 03時03分

<耐震偽造>構造部分のコスト削減、「建築主、気にしない」毎日新聞

 「お客さん(建築主)は目に見えない『骨の部分』は気にしない」——。千葉県市川市の姉歯(あねは)設計事務所によるマンション耐震データ偽造問題に絡み、同業者は「業界の常識」を打ち明けた。大規模建築物の背骨ともいうべき根幹の構造計算がゆがめられた背景には、コスト削減とスピード至上主義という建設業界の暗黙の“要請”が見え隠れする。
 ◇業界、暗黙の要請?
 国土交通省や千葉県によると、姉歯秀次・1級建築士(48)は過去5年間で、偽造が明らかになった21棟を含む約110棟の構造計算を手がけている。建物の規模によっては500ページにも及ぶ構造計算書をほぼ2週間に1度のペースで仕上げていたことに、特定非営利法人「建築Gメンの会」の田岡照良常任理事は「個人事務所であれば、マンションの構造設計なら通常年間3〜4棟、よくやっても年間10棟が限界だろう」と驚く。
 姉歯建築士は当初、千葉県の聴取に「コスト削減のプレッシャーを感じた」と証言。これについて、東京都渋谷区の構造設計事務所の経営者は「マンションの場合は大きなデベロッパーが建築主になるから、構造や内装など部門ごとの予算計画を立て、『構造計算にはこれしか払えない』と決めつけてくる。そして『出来なければ他に頼む』だ」と話す。
 さらに、この経営者は「お客(建築主)は内装や空調、風呂など目立つところは変えたがらない。でも構造部分は、工事代金の6〜8割を占めるのに目に見えない部分だから、必然的にコストカットの対象になる。ただし、今回のような耐震データの偽造は背骨を抜くようなもので、あり得ないこと」と話し、「姉歯建築士が半ば人ごとのように取材に答えている様子を見ると、関係者らが黙認していたのかもしれない」と指摘した。
 今回、偽造が発覚したマンション・ホテルの設計依頼を受けた建築士事務所6社のうち3社は、都の事情聴取に対し、姉歯事務所に構造計算を依頼したことを「建築主の指示」と回答。残り3社の構造計算をまとめて同事務所に発注していた業者は「仕事が早いから」と回答している。【大平誠、長谷川豊】
(毎日新聞) - 11月20日3時3分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051120-00000007-mai-soci