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2005年11月19日(土) 13時14分

<耐震偽造>震度3で大きく揺れる格安物件も毎日新聞

 「親せきが近くにいるマンションで余生を過ごそうと思ったのに」。姉歯建築設計事務所(千葉県市川市)による耐震構造計算書偽造問題が指摘されるマンションの住民らを不安に陥れている。今年8月に完成したばかりの東京・日本橋のオフィスビル街にある分譲マンションもその一つだ。全戸100平方メートル超ながら周辺と比べても格安な物件。貯金をはたいて手に入れた「終(つい)のすみか」を手放さねばならないのか。【曽田拓、種市房子】
 マンションは「グランドステージ茅場町」(中央区新川2、13階建て、全37戸)。建築主は「ヒューザー」(東京都千代田区)。ロビーとエレベーター内にはクラシック音楽が流れる。
 「区役所に問い合わせても、どう対応したらいいのか答えてくれない」。最上階に住む電気工事業の男性(78)と妻(82)は、そう言って途方に暮れる。30年住んだ品川区内の一戸建てを引き払い、入居したのは9月半ば。周辺と比べて格安の7000万円と、親せきが多く住む築地に近い場所で余生をと購入した。
 高齢者にも生活しやすいよう段差のないバリアフリーも気に入っていた。間取りに合わせ、テレビや洗たく機も買い換えた。先月16日夕方の震度3を記録した地震で扇風機が倒れそうになるほど揺れたときも「わざと(大きく)揺れて、ショックを緩和しているんだ」と2人で話し合った。
 突然の知らせが届いたのは17日。区役所職員が持ってきた「皆様方の建物も構造計算書を偽造した恐れがあります」と記された1枚紙だった。翌朝、電話で区役所に問い合わせたが、「今後については、これから会議します」との答えがあっただけ。その後は、待っていてもまったく連絡がなく、いら立ちは募るばかりだ。ヒューザーからも手紙が来たが、「建築主相手に個人では戦えない」と連絡を取る気にもなれない。「貯金もほとんど残っていない。これからどうすればいいのか」。2人は表情を曇らせた。
 6階に入居する50代の自営業男性は「北関東に自宅があるが、仕事の拠点の東京に家がほしい」と8月に入居した。「震度3くらいでもよく揺れた。6階だからこんなものかと思っていたが、今思えば恐ろしい。役所は調査中と言うが、今地震が来たらどうするんだ。行政だって、確認審査機関を認可した責任がある」と憤る。
    ◇
 構造計算書を偽造していた千葉県市川市の姉歯秀次1級建築士(48)は19日午前、TBSを通じて、自宅前に集まった報道各社に対し「24日に国交省の聴聞会があるので、それまでは何もしゃべるなと弁護士に言われた」と電話で伝えた。【神足俊輔】
(毎日新聞) - 11月19日13時14分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051119-00000036-mai-soci