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2005年11月17日(木) 23時26分

<ニセ耐震>建築士の書類偽造に怒り マンションの住民ら毎日新聞

 「地震が多いので心配だ」「偽造行為には怒りを覚える」。自宅の耐震性に突然疑問符を付けられた住民からは、不安や怒りの声が上がった。千葉県市川市の姉歯(あねは)建築設計事務所による構造計算書偽造。震度5強程度の地震で倒壊する恐れがあるマンションすらある。背景には、コスト削減のプレッシャーがあったという。偽造は民間確認検査機関の審査をいとも簡単にすり抜けていた。
 偽造が指摘された千葉県船橋市湊町2、賃貸ワンルームマンション「湊町中央ビル」(鉄筋コンクリート10階建て、59戸)。住民の男性会社員(26)は、新潟県長岡市で震度6弱(中越地震)を経験している。「地震の怖さは身に染みている。建物の大切さが分かるだけに、許せない」と憤りを隠さない。同じマンションの会社員、井上昭人さん(24)は新築だと知って今年3月に入居。「安全は十分だと思っていたのに理不尽だ。最近、地震が多いのに」と不安を募らせる。
 神奈川県藤沢市の分譲マンションは、この秋に完成したばかり。10階建てで、価格は4000万〜5000万円台。市からの通知書で偽造を知った男性住人(73)は「怒りを覚える。売り主にはしかるべく対処してもらいたい」。別の女性住人は「今は怒り以前に信じられない気持ち、驚きでいっぱい。入居して1週間しかたっていないのに、こんなことがあるなんて」と話した。
 やはり偽造が発覚した東京都中央区のホテル。17日夜は約200人が宿泊しているが、宿泊客に偽造を知らせていない。ホテルの親会社は「18日以降の対応は、ホテル側と協議して決めたい。耐震性はこれから確認する」と説明した。
 一方、建設中のマンションの構造計算を、姉歯建築設計事務所に発注していた下河辺建築設計事務所(東京都大田区)。工事は残り1フロア分のみの完成直前で、契約をした人もいるという。所長は「今月初めにマンションの建て主からの連絡で偽造の疑いがあることを知った。チェックしようがない」と話し、告訴も検討している。
(毎日新聞) - 11月17日23時26分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051117-00000149-mai-soci