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2005年11月14日(月) 00時00分

顧客サポート 速く広く 東京新聞

 パソコンの調子が悪いのにメーカーの相談窓口に電話がつながらない。電話はつながったが、うまく説明できない—。こんな経験を持つ人は多いだろう。NECは顧客サポートを充実させ、ユーザーの不安やイライラを解消することで人気を集めているという。そのアフターサービスの現場を見た。 (永井 理)

 東京都大田区にある、パソコン製造販売のNECパーソナルプロダクツ・コンタクトセンター。四百八十人もの技術スタッフが次々と寄せられる質問や苦情に応えている。広いフロアにずらっと並ぶスタッフたちは、丁寧にユーザーからの相談に応じていた。

 「サポートで満足してもらう一番の要素は、まず窓口の電話がつながることです」と、同社の木下茂春グループマネジャー。つながった電話の割合を示す「着信率」が七割を超すと、つながらないことへの苦情がなくなるという。

 同社は二〇〇二年から、七割前後の高い着信率を維持しており、同社調査では、待ち時間は他社の半分以下という。そのため、八百人以上の技術スタッフが、東京、大阪、群馬、沖縄のコンタクトセンターから二十四時間体制で対応している。同社がこれだけ顧客サポートを重視する背景には、パソコン市場の環境変化がある。

 政府の調査によると、パソコン普及率はすでに全世帯の約八割に達し、購入者の七割以上が買い替えか買い増し目的だ。つまり、自社製品のユーザーにもう一度選んでもらえるかどうかがメーカーの勝負どころとなる。「サポートの満足度は買い替え時の重要な要素」と、同社の佐藤修マネジャーも強調する。

 もちろん、着信率が高いだけでは十分でない。同社サポートの特長は、ユーザーがインストールした他社製ソフトによるトラブルや相談にも応じることだ。「ユーザーに対してできるだけのことをする」(佐藤さん)のが同社の方針という。

 東京のコンタクトセンターでトラブル解決にあたる、武田光央グループリーダーは「他社製ソフトに関するサポートでは情報がないことが問題。調べるのに時間がかかることもある」と打ち明ける。

 そのかいもあって、パソコン誌のサポート満足度ランキングでいつも下位だった同社の顧客サポートが、ここ二年間続けて一位になった。「次に購入するときも同じメーカーを選びたい」というリピーター率は、以前の一割程度から五割を超えるようになったという。

 佐藤さんは「今後、トラブルを超短期間で完全解決することと、未然に防ぐことの二点に力を入れる」と言う。時間短縮は、満足度を上げるだけでなくコストを減らすことにもつながる。

 インターネットでユーザーのパソコンを操作、トラブルを直したり、ネット上で自動的に設定変更などができるサービスも始めた。

 他メーカーも顧客サポートの充実に取り組んでいる。ソニーでは「初心者ダイヤル」を設け、高い技術を持ったオペレーターが時間をかけてユーザーに対応するサービスを昨年から始めた。東芝も、オペレーターがインターネットを通じて利用者のパソコン画面を見ながら問題を解決する「遠隔支援サービス」を今年一月に開始した。

 パソコンは低価格化や規格の標準化が進み、各社とも特色を持たせにくくなっている。購入後どう満足してもらうか、顧客サポートの差別化競争は当分続きそうだ。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/dgi/20051114/ftu_____dgi_____000.shtml