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2005年11月11日(金) 00時00分

『スパイウエア』初摘発 他人口座の現金詐取 東京新聞

 「スパイウエア」と呼ばれるソフトでインターネット決済用のIDとパスワードを不正に入手し、企業や他人の口座から自分の口座に勝手に送金したとして、警視庁ハイテク犯罪対策総合センターと葛西署は十日、不正アクセス禁止法違反と電子計算機使用詐欺容疑で千葉市若葉区若松町、無職平山喜一容疑者(34)を逮捕、東京都江戸川区内の情報技術(IT)関連会社の元社員の男(31)を指名手配した、と発表した。スパイウエアによる不正アクセス事件の摘発は全国で初めて。 

 ■1千万円超す

 平山容疑者はジャパンネット銀行、みずほ銀行、イーバンク銀行(いずれも東京)と大川信用金庫(福岡県)の計十口座から計約一千百四十万円を詐取したという。十月、千葉銀行(千葉市)や北陸銀行(富山県)をかたってCD−ROMが送られ、口座の現金数百万円が移し替えられた事件についても関与を認めており、警視庁は追及する方針。

 ■「生活資金に」

 調べでは、平山容疑者は六月下旬、ジャパンネット銀行に口座がある川崎市の貴金属販売会社にスパイウエアを添付したメールを送り付け、IDやパスワードを入手。七月一日、口座に不正にアクセスし、自分の口座に二十一万六千円を送金した疑い。

 調べに「金は(指名手配の)元会社員と折半し、生活資金に充てた」と、供述しているという。

 平山容疑者は犯行が発覚しないよう電波が漏れている他人の無線LANを経由して接続。ネット商店街に出店している貴金属販売会社を狙い、商品のクレームを装ってスパイウエアメールを送信していた。

 ■闇サイト利用

 現金は闇サイトで購入した借名口座に移し替え、都内や静岡市内のコンビニ店などで引き出していた。

 スパイウエアメールによる不正振り込みは七月一日と五日、三行で計約九百四十万円の被害が確認されていた。

 ◆不正送金された金融機関(警視庁発表、かっこ内は所在地、送金日、口座数と送金額)
 イーバンク銀行(東京都、七月一日、一口座から約十三万円)▽ジャパンネット銀行(東京都、七月一日、六口座から計約三百八十万円)▽みずほ銀行(東京都、七月一日と同五日、二口座から計約五百四十八万円)▽大川信用金庫(福岡県、七月一日と同五日、一口座から計約二百万円)

 ◆メモ <スパイウエア>

 パソコン内の個人情報を収集し、インターネットを通じて外部に送信するソフト。ホームページの閲覧やキーボードの操作などの記録が送信される。一部企業が情報収集のため他のソフトとセットで配布するなどしており、2年ほど前から急増している。気づかずにインストールしてしまうことが多く、発見されにくい。ホームページを開くだけでインストールされるケースも。ウイルスと違って自己増殖などはせず、専用の対策ソフトが市販されている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20051111/mng_____sya_____004.shtml