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2005年11月10日(木) 02時56分

NTTグループ「再々編」 中期経営戦略 “巨人”再来…懸念も産経新聞

 NTTは九日、中期経営戦略の具体策を発表した。光ファイバー網を使ったIP(インターネット・プロトコル)通信サービスの拡大を図るため、地域や通話形態で分割されている現行組織を事業内容別に整理・統合。事実上、グループを「再々編」する内容となっている。
 中期経営戦略では既存の電話網に代わるIP通信網の構築を東西地域会社とNTTドコモに集約する一方、複数のグループ各社で手がけているインターネット関連事業や法人向け事業をNTTコミュニケーションズ(NTTコム)に統合し、効率化を図る。
 また、平成十八年夏をめどにポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントをNTTコムに統合し、NTT東の子会社でインターネット事業を手がける「ぷららネットワークス」も統合させる方針のほか、大企業向けサービスもNTTコムに集約する計画だ。
 こうした組織再編が実現すれば、NTTの競争力はさらに増す可能性が高いとみられる。だが、十一年に分割・再編されたNTTの事実上の再々編との見方もあり、通信業界では批判の声が高まっている。
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 NTTがグループ各社の事業領域を整理・統合する背景には、光ファイバーを基盤とする電話網のIP化の完成を目指す狙いがある。通信網のコストを削減し、新たな通信サービスを素早く提供できるようにすることで、固定電話市場の縮小による「経営の行き詰まり感」を打破したい考えだ。
 電話網のIP化や事業再統合は、世界の通信業界の潮流でもある。日本の通信業界が“手本”としてきた米国の通信業界もAT&Tを分割したのち、合従連衡の末に再び巨大な総合通信事業者が業界の主導権を握る。NTTの目指す姿も、競争力の強い総合通信事業者にほかならない。
 NTTがこうした戦略に舵(かじ)を切る理由には「この一年間で予想以上の変化があった」(NTT幹部)という環境の激変も影を落とす。ブロードバンド(高速大容量)通信サービスの場合、インターネット接続、IP電話、映像配信の“トリプルプレー”が一般的となり、法人分野も固定と携帯電話を一体化させたサービスが始まるなど、これまでのような縦割りの業態では対応しきれない状況が生まれている。
 稼ぎ頭であるドコモの成長力が鈍化する中、総務省が九日、十二年ぶりに携帯事業への新規参入を認め、価格競争による収益性の低下に拍車のかかる公算が大きいことも後押しする格好だ。
 「世界に通用する総合通信会社」を旗印とするNTTの将来シナリオは定まったが、新電電各社は「業界の盟主としての自覚が感じられない」と警戒を強める。
 これに対しNTTの和田紀夫社長は、「あくまでも、現行法の枠組みの下での役割の整理だ。公正な競争条件を確保し、次世代通信網の構築を図りたい」と主張するが、業界間で軋轢(あつれき)が高まるのは避けられそうにない。監督官庁である総務省が、国際競争力と競争政策のバランスをどうとるのかもカギを握りそうだ。(谷口正晃)
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 ◆「時代に逆行」 孫氏らが批判
 NTTの中期経営戦略について、固定通信事業に続き携帯事業への参入を決めたソフトバンクの孫正義社長は九日、「時代に逆行した独占回帰。料金が高止まりして消費者が損害を被る」と懸念を表明した。そのうえで総務省に「開かれた公平な議論の場を設けてほしい」と要望し“NTT問題”について、官民が議論を深めるべきだとの考えを示した。
 また、携帯電話を核とする総合通信事業者として勢力を増しつつあるKDDIも、「(競争促進を目的とした)NTT再編の趣旨と全く反対の方向だ。NTTグループの市場支配力は強化される恐れが強い」(幹部)と強く反発している。
(産経新聞) - 11月10日2時56分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051110-00000014-san-bus_all