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2005年11月01日(火) 21時30分

<東証システム障害>不備が露呈 「日本買い」の動きに冷水毎日新聞

 東京証券取引所で1日発生した大規模なシステム障害は、日本の証券市場に対する国内外の投資家の信頼を揺るがす事態に発展した。東証はバブル崩壊後、世界の市場間競争で出遅れ地盤沈下が指摘されてきたが、景気回復で海外投資家が回帰し、株価が上昇。出来高も膨らみ、存在感を取り戻しつつあった。その矢先に、市場運営の根幹である売買システムの不備が露呈したことで「日本買い」の動きに冷水を浴びせかねず、「東京マーケット復活」のシナリオに狂いが生じる可能性も出て来た。
 東証1部の昨年末時点での時価総額はドル換算で3.5兆ドル(約353兆円)と、ニューヨーク市場(12.7兆ドル)に次ぐ2位だが、その規模は3分の1以下と大差をつけられている。昨年の年間売買代金では、ロンドン市場にも後れを取り世界3位。世界最大の市場規模を誇った80年代後半と比べると見る影もない。
 しかもここ数年、中国やインドなどアジアの新興市場も成長が著しく、「日本を飛び越えて欧米からの投資が、アジア諸国に流れる」(大手証券)と懸念する声も強まっている。欧州で現実化している国境を越えた市場の合従連衡など本格的な市場間競争が、アジアでも始まると予想されており、東証にとっては市場の規模拡大と機能拡充は大きな課題だった。
 1日の東証は大規模システム障害で午前中の取引が全面停止したものの、日経平均株価は今年の最高値を更新。日銀が前日、展望リポートで消費者物価指数の予想を上方修正するなど、日本経済のデフレ脱却が現実味を増したことなどから、株価は上昇基調を堅持した。しかし、与謝野馨金融・経済財政担当相が「株価が上昇局面だったので被害は少なくて済んだが、下落局面だったら大変な問題になっていただろう」と指摘した通り、世界市場に影響を及ぼしかねない緊急事態だったことは間違いない。
 東証は、市場間競争で生き残るため売買システム拡充の資金が必要だとして上場を目指している。しかし、投資家に不信感が広がれば、上場しても資金調達は容易ではなく、トラブルの原因究明と再発防止策を早期に講じる必要に迫られそうだ。【斉藤信宏】
(毎日新聞) - 11月1日21時30分更新

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