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2005年10月27日(木) 00時00分

身寄りのない人に NPOが保証人 『家族の代わりに』需要が増加 東京新聞

 賃貸住宅に住んだり、福祉施設に入所したりするとき、たいてい必要となるのが保証人。身寄りのないお年寄りや定住しようとするホームレスなどにとっては探すのが大変だ。そんな人たちに保証人を提供する市民団体の活動が目立っている。生活全体を支援することや保証の料金の安さなど利用者の立場を考えた点が好評の理由だ。行政の支援態勢が十分ではないことも背景にある。 (重村 敦)

 名古屋市千種区の沖満子さん(93)は二年前に夫を亡くし、以来一人暮らし。最近、耳が遠くなり、においも感じにくくなるなど生活に不安を覚えたため、福祉施設への入所を考え始めた。

 その際に身元保証するのが、NPO法人「きずなの会」(本部・名古屋市)。沖さんは養女の外国移住をきっかけに二〇〇二年六月、入会。直後に夫が病気で入院し、転院のたびに同会が夫の身元保証をした。昨年三月に現在の賃貸住宅に入居するときも、同会が保証人に。夫の葬儀の手続きや外出時の付き添いなど支援は幅広く、沖さんは「家族に言えないようなことも相談できるのでありがたい」と、満足そうに話す。

 きずなの会は〇一年九月に設立。家族の代わりに高齢者や障害者を支える活動をしている。身元保証のほか、連携する弁護士事務所が契約者のお金を預かり、法定後見制度など法的な手続きもすぐに取れるのが特徴だ。

 利用するには、預託金百五十万円が必要。葬儀支援も含め大半はそれでまかなえる。ただ、付き添い時間が一定以上の場合などは、さらに必要になることもある。会員はこれまで延べ約千六百人。東海地方に加え、一月に東京本部を設置し、首都圏でも活動を始めた。

 大野道雄専務理事は「高齢者などの身元保証はずっと親族が担ってきたが、社会の変化に伴いできなくなった。認知症になったり、亡くなったりするのをおそれ、引き受け手がいないのが実情。保証人を必要としている人は多い」と話す。

     ◇

 十月上旬の土曜日。東京都新宿区新小川町の借家の一室で、人々がおしゃべりに興じていた。NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」が開くサロン。集まった多くが支援により新たな自活を始めた人たちだ。

 その一人で生活保護を受けるAさん(55)は〇二年七月に、もやいで保証人を提供され、アパートを借りられた。以前、統合失調症を患い入院。住んでいたアパートの管理人ともめて追い出された。退院後、何件も賃貸物件にあたったが、片っ端から断られたという。

 もやいは、ホームレスや生活保護受給者、ドメスティック・バイオレンス(DV)の被害者などの自立支援活動をし、二〇〇一年五月に設立。アパート入居時の保証人提供、入居後の生活相談や交流イベントも行う。二年間で八千円という格安の提供料もあって、これまでの保証人提供件数は約八百件。現在約五十人が待機中という。

 ほかに葬儀の生前契約をするNPO法人「りすシステム」(東京都千代田区)なども高齢者などの身元保証をしている。

 一方、支援事業を始めた自治体もある。

 横浜市は昨年十月から、民間保証会社と連携し、保証人がいない高齢者や障害者、DV被害者、ホームレスの一部などを対象にした入居支援を開始。低所得者には保証料も助成した結果、この一年で入居契約が三百二十一件あった。

 また、東京都や川崎、名古屋市などがホームレスの入居支援を、都の一部の区が高齢者などの入居支援に乗り出した。

 ただ、多くの自治体では支援対象が限られている。もやいの稲葉剛代表理事は「横浜市のように他の自治体も対象範囲を広げ、包括的な支援をしてほしい。それでも難しい部分を私たちがやるのが本来の姿」と話す。

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 きずなの会の連絡先は(電)電052・961・8002、もやいは(電)03・3266・5744。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kur/20051027/ftu_____kur_____000.shtml