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2005年09月29日(木) 00時00分

息子がニート、再婚の重荷に読売新聞

 40代の会社員。5年前に離婚しました。脳出血で倒れた夫が子どもたちにつらく当たり、暴力も振るったためです。

 私の息子は中学生のころから不登校になり、高校を中退し、今まで一度も働いたことがありません。運転免許を取れといってお金を用意しても動きません。10代後半になった息子のことを考えると、目の前が真っ暗になります。

 実は今、再婚を考えている男性がいますが、問題がふたつあります。ひとつは私の息子が、仕事に就かず学校にも行かない「ニート」であることです。

 もうひとつ、彼が元妻の借金を返済していることです。返済金額は教えてくれません。

 借金ぐせのある元妻の新たな借金が、彼や彼の2人の子どもの責任にならないようにする方法はあるでしょうか。(神奈川・M子)

 彼の元妻の借金のことは、彼が離婚した際に、現在返済している金額以上の責任を負わないよう処理していると思われるので、気にすることはないでしょう。

 ただ将来、彼の子どもたちが、母親に泣きつかれて新たな借金の保証をすると大変ですから、母親の借金に関係しないよう注意をしておくことが必要です。

 それより問題なのは、あなたの息子さんです。息子さんがニートになったのは、父親の暴力や家庭の不和が原因の一つと考えられます。従って今あなたが彼と同居すると、息子さんは対人関係をうまく処理できず、ますます心を閉ざして引きこもってしまうでしょう。

 当分は現状のままで、再婚を焦らず、彼の理解を求めながら、息子さんを自立させる対策をとることが先決ではないでしょうか。

 ニートを自立させるため、心のケアや合宿形式で職業訓練を行っている支援団体があり、政府もこの活動を援助しはじめました。そのような団体を訪れて、どうしたら息子さんを社会参加させられるか、相談してみてはどうでしょう。

 (土肥 幸代・弁護士)

http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/danjo/20050929sy31.htm