2005年09月29日(木) 00時00分

過剰規制の声…校内殺傷初公判で法廷イラスト描写禁止（ZAKZAK）

　２９日に開かれた小学校内殺傷事件の初公判で、大阪地裁の朝山芳史裁判長は開廷前、傍聴人に対し、法廷イラストの描写を禁止し、描いていることが分かった場合は退廷を命じるとの訴訟指揮をとった。

　弁護側が地裁に対し、「少年の写真やイラストが報道されることがないように」と要請したことや、少年法の精神に沿った判断とみられ、廷内に複数の警備員らを配置した。

　新聞、テレビなどの報道各社は通常、重大事件の公判で被告や法廷内の様子を伝えるため、イラストレーターによる法廷のスケッチを実施し、報道している。

　■田島泰彦・上智大教授（メディア法）は「少年審判ではなく公開された刑事裁判で、後ろ姿のスケッチさえも制約するのは過剰規制以外の何物でもなく、憲法違反の疑いさえある。少年法には本人を特定できる報道を禁止する規定があるが、顔や名前の報道ではないのだから、表現の自由を認める憲法を踏まえた上で解釈されるべきだ。殺人など重大な事案は、しゃくし定規に少年法を当てはめるべきではない」と話している。

ZAKZAK 2005/09/29

http://www.zakzak.co.jp/top/2005_09/t2005092935.html