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2005年09月22日(木) 03時03分

「不起訴不当」軽視しないで、検察審査会が異例の注文読売新聞

 東京第2検察審査会(検審)が東京地検に対し、「不起訴不当」などの議決を軽視しているとして、「検審の判断は国民を代表する意見であり、最大限尊重されるべきだ」と勧告していたことが分かった。

 検審は検察審査会法に基づき、検察に意見を述べる「勧告」や「建議」を出すことができるが、その中で検察の判断そのものに注文を付けるのは極めて異例だ。

 検審はくじで選ばれた一般国民11人で構成され、任期は半年間で3か月ごとに半数が入れかわる。個々の不起訴処分が妥当かどうか審査するほか、検察事務の改善を検事正に建議、勧告できる。建議、勧告が出されたのは2000年以来で、昨年までの10年間でも6件しかなかった。

 東京地検は20日、読売新聞の情報公開請求に対し、検審の勧告書と同地検の回答を開示した。

 勧告書は3月8日付で、「検審が議決した不起訴不当、起訴相当の事件に対し、検察が不起訴の判断を覆すことがあまりにも少ないことに疑念を感じる」とした上で、「検審の判断が尊重されなければ、国民主権を根源とする憲法にも反する行為」としている。

 また、「法律の解釈は一般国民の視点による判断が大切で、検察と同じ視点で犯罪をとらえ、構成要件の当てはめを考える必要は全くない」と記述している。

 同検審は昨年、業務上横領事件など8件で不起訴不当を議決。議決に強制力はなく、東京地検はこのうち捜査を継続中の2件を除き、再び不起訴にしている。

 今年1月にも、自民党旧橋本派への1億円ヤミ献金事件で、政治資金規正法違反容疑が不起訴となった橋本元首相ら3人を不起訴不当としたが、同地検は3月、時効を控えた元首相の会計責任者に対する監督責任の部分だけ先に判断し、再度不起訴とした。

 勧告は個別の事件に言及していないが、同検審関係者によると、これらの事件を念頭に置いたという。

 検察は建議、勧告に従う義務はないが、同地検は3月30日付で同検審に回答。「検察は議決を最大限尊重して再度の処分をしており、検審の判断を軽視している事実はないが、疑念が生じないよう今後も的確な検察権の行使に努める」としている。

 また、「勧告の趣旨が、不起訴不当の事件は東京地検も一般国民の視点で公訴(起訴)権を行使すべきだというものであれば、起訴に伴う不必要な負担や不利益を与える危険がある」と反論している。

 伊藤鉄男・東京地検次席検事の話「検審に回答した通り、検察は法と証拠に基づいて捜査している」
(読売新聞) - 9月22日3時3分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050922-00000101-yom-soci