2005年09月20日(火) 03時04分
排水データ改ざん、JFEスチール立件へ…千葉地検(読売新聞)
製鉄大手「JFEスチール」(本社・東京都千代田区)の東日本製鉄所千葉地区(千葉市中央区)が国の基準を上回る高濃度のシアン化合物などを東京湾に排水し、千葉県などに報告する水質データを改ざんしていた問題で、千葉地検と千葉海上保安部は、同製鉄所の環境管理担当の副所長らに対し、水質汚濁防止法違反容疑で本格的に事情聴取を始めた。
違法排水やデータ改ざんは10年以上にわたって続いており、同地検は近く、副所長ら10人前後と、法人としての同社を同容疑で立件する。
立件の対象となるのは、副所長のほか、同地区の水質管理担当者やシアン精製施設の管理担当者ら。
この問題は昨年12月、同地区付近の海水が白く濁っていたことから発覚。千葉海保の調べで、排水の水素イオン指数が国の環境基準(9・0)を上回る12・0前後と強いアルカリ性を示したうえ、有毒物質のシアン化合物を含んでいることがわかった。
これを受け、同社で、記録のある2001年4月以降の水質測定データを調べたところ、排水口などの水質データ計8万9642件のうち、シアンや六価クロムの濃度などのデータ1109件が国や県の環境基準を大幅に上回っていたことが判明。担当者らは、これらの数値を基準内に改ざんして上司に伝え、そのまま県や千葉市に報告していたことも明らかになった。
千葉地検と千葉海保は今年3月、水質汚濁防止法違反容疑で同地区を捜索。環境への影響は確認されていないものの、シアン化合物を流出させたことやデータ改ざんの事実を重視。詰めの捜査を進めている。
(読売新聞) - 9月20日3時4分更新
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