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2005年08月28日(日) 02時58分

投資会社GPJ突然の「破産」 巨額詐欺に発展も産経新聞

社長、遊興費に流用か/有名俳優も被害
 破格の高利回りをうたって富裕層を中心に投資を募っていたコンサルタント会社「ジェスティオン・プリヴェ・ジャポン(GPJ)」=東京都千代田区=が七月、東京地裁で破産手続き開始の決定を受けた。「為替レートを駆使した運用法」などとPRしていたが、投資金を社長(42)らの遊興費などに流用していた疑いもあるという。債権者は約千人、負債総額は百億円以上とみられ、警視庁は大規模な詐欺事件に発展する可能性もあるとみて、情報収集を進めている。
 ◆豪華ツアー
 中世ヨーロッパの貴族のようなカツラや衣装を身にまとった中年の男が、豪華客船のダンスホールで優雅にステップを踏むと、周囲から拍手が沸き起こった。
 GPJが顧客約百五十人を集めて二月に開いた「カリブ海クルージングツアー」の一場面。男は社長で、「皆さんの資産も増え、不満を持っている方はいらっしゃらないと思います」と自信たっぷりに言い放った。
 しかし四カ月後、事態は急変する。配当が滞りだしたのだ。さらに社長が七月上旬、都内のホテルで手首を切る自殺騒動を起こし病院へ運ばれ、退院後は行方不明に。
 投資者へ何の説明もないまま、七月二十日に破産手続き開始が決定。俳優の渡辺裕之さんも一億二千万円を投資したが、返ってきたのは四百七十万円だけ。「(GPJの)広告塔ではなく、僕も被害者。三十年近くかけてためた金だった」と話している。
 ◆破格の収益率
 GPJは平成十四年九月設立。ドルやユーロの為替レートを駆使して運用することで、「約二カ月で二割以上の収益率」とうたい、富裕層を中心に投資者を募ってきた。
 当初は期待以上の額を配当したこともあるといい、同社が今年六月に作った再投資の案内書には「見込み通り約41・5%の収益を実現しました」と記されている。
 こうした“成果”が口コミで広がり、投資者、投資金額も急増したが、運用は社長が一手に担い、「具体的なことは何も知らされていなかった」(GPJ元社員)。
 「新たな投資金を別の会員への配当に回す自転車操業を続ける一方、社長の個人的な借金返済や遊興費に流用していたようだ」との指摘もある。
 ◆セレブ狙い
 高利をうたい出資を募る巨額詐欺事件は後を絶たない=表。六月にはNPO法人(特定非営利活動法人)「やまびこ会」の元代表理事らが警視庁に逮捕された。
 所得格差が開く方向にある日本だが、GPJの被害者は高額所得層、いわゆる“セレブ”が多く、これまでの巨額詐欺事件と異なる。
 警視庁に相談が寄せられた被害金額も一千万円級が少なくないが、セレブなど社会的信用の高い知人が“勧誘役”となったことも被害拡大につながっている。民放の元女子アナが紹介したケースもあったという。
 投資者の一人は、「外資系企業で社長秘書を務めていた女性から紹介された。この人が勧めるならと信用してしまった」と打ち明ける。
 巨額詐欺の被害者弁護団長を務めた経験のある宇都宮健児弁護士は「投資先が悪質かどうか個人で調べるには限界がある」と指摘。米国ではマルチ商法などを調査する連邦取引委員会を設けて監視しており、「日本にも同様の機関を早急に整備すべきだ」と訴えている。
(産経新聞) - 8月28日2時58分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050828-00000015-san-soci