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2005年08月16日(火) 03時35分

<ネットゲーム>無敵キャラ使い荒稼ぎ 中国から不正侵入毎日新聞

 インターネット上の人気冒険ゲーム「リネージュ2」に中国から不正アクセスが集中し、運営会社の営業を妨害された事件で、同ゲーム内で自動的に一般ユーザーのキャラクターを倒す強力なキャラクターを動かせるプログラムが使われていたことが、香川県警の調べで分かった。不正侵入した中国のユーザーらは、このプログラムでゲーム内で使える通貨を手に入れ、ネット上で売り、日本円を稼いでいたとみられる。県警は中国人留学生1人を逮捕しているが、プログラムの作成、操作の背景についてさらに捜査を進めている。
   【南文枝】
◆ロボットキャラ
 「リネージュ2」(登録者数約10万人)の運営会社「エヌ・シー・ジャパン」(東京都)によると、プログラムは「BOT」(ロボットの略)と呼ばれ、自動的に敵を倒し、専用通貨や武器、防具などのアイテムを取得。外見は他のキャラクターと同じで、見分けが付かない。ゲームの利用料を払う一般ユーザーにとっては、自分が操作するキャラクターが攻撃され通貨を奪われるなど、ゲームを続けられなくなる。
 奪われた通貨や武器などは、ネットオークションに出品され、高値で売買。落札されると指定の金融機関口座に円で振り込み、確認後に、同ゲーム内で待ち合わせ場所や日時が指定され、キャラクター同士で受け渡しされるという。
◆標的は拡大か?
 一方、他の人気オンラインゲームでも、BOTを利用した不正ユーザーが目立つ。冒険ゲーム「ラグナロクオンライン」(登録者数約100万人)を運営する「ガンホー・オンライン・エンターテイメント」(東京都)によると、システム改善などの対策を取っているが、相手も対抗してイタチゴッコの状態だ。
◆推定市場100億円
 財団法人インターネット協会によると、専用通貨やアイテムのネット上の売買の市場規模は50〜100億円(推定)。あるサイトでは、専用通貨が1口につき2300〜8000円で売買されている。国分明男副理事長は「ネット上でアイテムなどを買う人がいる限り、悪用はなくならない」と話す。
 ▽森井昌克・神戸大教授(情報通信工学)の話 ゲームのアイテム(通貨、武器など)は、ネット上で数万円で売れるものもあり、BOTを利用すれば効率よく収集できる。現在法律で取り締まれないので、運営会社は常に狙われている可能性を認識し、さまざまな事態を想定した対策を取るべきだ。
 【ことば】リネージュ2事件
 オンライン冒険ゲーム「リネージュ2」に中国からの不正アクセスを集中させ、運営会社のサーバーに障害を与えたとして、福岡市博多区東比恵2、私立大3年の中国人、王祥キ被告(26)が7月に電子計算機損壊等業務妨害罪で逮捕、起訴された。起訴状などによると、王被告は、自宅にネット接続を代行するプロキシサーバー40台を設置。不正に入手したIDなどを使い中国からユーザーを侵入させ、ゲーム画面の切り替えが遅くなるなどの障害を与えた。
(毎日新聞) - 8月16日3時35分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050816-00000017-mai-soci