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2005年08月15日(月) 00時00分

知らぬ間に侵入 個人情報盗む スパイウエアにご用心! 東京新聞

 日本の三つの銀行のオンライン・バンキング・サイトで、利用客が預金を不正に引き出される事件が七月に相次いだ。犯人はスパイウエアと呼ばれるソフトを使って、利用客のパソコンからパスワードなどを入手、預金を盗み出したとみられる。スパイウエアとはどういうものなのか、いったいどうすれば被害を防ぐことができるのか、関係者を取材した。 (ルポライター・瀧井 宏臣)

 七月一日、ネット上で商品の販売を手がけている法人から、イーバンク銀行に「身に覚えのない出金がある」と連絡があった。法人客の預金が何者かによって十三万円ほど引き出され、他の銀行口座に振り込まれていた。

 銀行側が調べたところ、何者かがスパイウエアを使って法人客のパソコンから口座番号やパスワード、暗証番号を入手。ネットを通じて法人客の預金を盗み出した疑いが強まった。

 スパイウエアは、ユーザーが知らないうちにパソコンに潜入、ユーザーがキーボードで入力した個人情報を他のパソコンに自動的に送信するプログラム。その一種にキーロガーと呼ばれるものがある。特に広告宣伝目的で営業ツールとして使われるものはアドウエアと呼ぶが、いずれも悪用されればオンライン詐欺につながる危険性がある。感染や破壊活動を伴わないので、ウイルスとは異なる。その分、感染したことに気づかないケースも多い。

 この事件では、客を装った犯人からの苦情メールを法人の担当者が読み、添付された動画を見た際にスパイウエアを取り込んだとみられる。

 さらにほぼ同時期、インターネット上でサービスをしているみずほ銀行とジャパンネット銀行も、同じ手口で預金が盗み出されていることが分かった。被害は計九件、九百四十万円に上った。

 イーバンク銀行側では再発防止対策として、利用客が使っているプロバイダー以外からの取引を制限する無料の「IP制限サービス」を実施。八月には、ランダムに表示される変換表を使って暗証番号を毎回変換して入力する「ワンタイムセキュリティーボード」を導入した。同銀行の永島祐二広報部長は「百パーセントとは言えないが、これらのサービスを利用した方がはるかに安全性が高く、ぜひ利用してほしい」と訴えている。

 シマンテック社コンシューマ・マーケティング部の田上利博マネジャーは、インターネット閲覧用のウェブブラウザ立ち上げ時に表示されるホームページ(HP)が勝手に変更されたり、パソコン画面に勝手に窓ができて広告サイトやアダルトサイトが開いたりしたら、スパイウエアやアドウエアの侵入が疑われる、という。

 スパイウエアは無料ソフトをダウンロードした際や、画像を見るためにクリックした際などに忍び込むが、最近はHPを見ただけで侵入されるケースもあるという。無料ソフトの使用許諾契約書に「個人情報を収集する」と書かれてあるケースもあるので、同意する前に契約内容に必ず目を通す必要がある。

 駆除には、ウイルス対策ソフトだけでなく、スパイウエア対策が含まれているものを使う。ソフトによる対策だけでなく、身に覚えのないメールには返信をしない、出所のわからないサイトにはアクセスしないなど日ごろの注意も重要だ。

 田上マネジャーは「何でも気軽にできる点にインターネットの落とし穴がある。嫌な目に遭わないためには、スパイウエアについて理解し、対策ソフトを使い、常に更新する習慣をつけてほしい」と話している。

◆スパイウエアから身を守る7カ条◆

(1)無料ソフトをダウンロードする際、使用許諾契約書をよく読む。 アンインストール機能があるかどうか確認する。

(2)パソコンの画面が勝手に変更されたら、スパイウエアの侵入が ないかチェックする。

(3)スパイウエア対策を含んだ、総合セキュリティーソフトを導入 し、小まめに定義ファイルを更新する。

(4)ブラウザの個人情報セキュリティーを高めに設定しておく。

(5)身に覚えのないメールに返信したり、クリックしたりしない。

(6)疑わしいメールのURL(ホームページのアドレス)をクリッ クしない。

(7)出所のわからないサイトにむやみにアクセスしない。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/dgi/20050815/ftu_____dgi_____000.shtml