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2005年08月04日(木) 15時16分

「子供返せ」と脅迫・暴力…児童相談所、親に苦慮読売新聞

 虐待された子どもを保護した児童相談所と、子どもを取り戻そうとする親とのトラブルが増えている。

 保護された子どもが生活する相談所内の「一時保護所」の実態を全国児童相談所長会(全児相)が調べたところ、親に職員が威圧的な態度をとられたり、脅迫めいた言葉を投げかけられたりした経験のある施設は6割に上り、児童相談所が親への対応に苦慮している実情が浮き彫りになっている。

 今年3月、愛媛県中央児童相談所(松山市)の会議室で、二男を連れ戻しに来た男女との押し問答は2時間も続いていた。

 女性の長男(1)は、ネグレクト(養育放棄)を理由にこの相談所に保護されていた。女性は1週間前に出産した二男に対しても、授乳やおむつ交換が投げやりだったため、同相談所は「ネグレクトを繰り返す恐れがある」と判断。二男も相談所に預けるよう説得したが同意を得られず、一時保護に踏み切ったのだった。

 押し問答の末、内縁の夫は刃渡り8センチのナイフを取り出し、「子どもを返せ。返さないと死んでやる」。相談所の職員は「110番するしかなかった」と振り返る。内縁の夫は、駆けつけた警察官に暴力行為の現行犯で逮捕された。

 全児相が昨年度、全国の一時保護所を調べたところ、子どもとの面会を拒んだ職員が暴力を受けたケースは、少なくとも9件あった。暴力にまで至らなかったものの、職員が胸ぐらをつかまれたり、大声を出されたりと威圧的な親の対応にあたったことがある施設は6割に上った。「暴力ざたになったら、警察に頼るしかない」と、都内の元児童相談所長は話す。

 深夜、施設外から拡声機で子どもの名前を連呼したり、子どもが保護されたのに「誘拐された」と親が110番通報したりしたケースもあったという。

 日本子ども家庭総合研究所の才村純部長は「相談所の職員が、親との対立関係を、良好な関係に変えるには、かなり専門的な熟練した技術が必要だが、少ない職員数では限界がある」と指摘、「短期で異動させず、長期間の任期などを考える必要がある」と話している。
(読売新聞) - 8月4日15時16分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050804-00000308-yom-soci