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2005年08月02日(火) 14時38分

オウム「福祉」に進出?女性幹部が児童養護施設を計画読売新聞

 オウム真理教の女性幹部信者(41)が昨年秋以降、教団とは無関係の長野県の男性とともに、同県内で児童養護施設を運営する計画を進めていたことが2日、関係者の話で分かった。

 計画はすでに頓挫しており、教団側は「教団とは完全に切り離した活動だった」としている。しかし、上祐史浩・教団代表(42)が今年5月、幹部信者を集めて福祉活動への取り組みの必要性を訴えていたことも判明。公安当局は、教団の福祉事業への進出が新たな信者獲得につながる可能性もあるとみて警戒している。

 関係者によると、児童養護施設の運営を最初に発案したのは、長野県で旅館を経営する男性(74)で、約3年前から知人に声をかけるなどして施設運営の協力者を募っていた。

 この男性のもとに昨年10月、女性信者が「福祉に関心がある。お会いしたい」と電話をかけてきた。男性によると、それまで2人に面識はなく、女性信者は共通の知人を通じて、男性が協力者を募っていることを知ったという。

 男性が女性信者と会い、「親のいない子供たちに集団生活をしてもらう施設を運営したい」と考えを伝えると、女性信者は「一緒にやらせてほしい」などと応じ、「友人に声をかければ(協力者を)10人ぐらい集められる」と話した。しかし、自分と教団との関係は明かさなかったという。

 男性と女性信者はその後、旅館の客室を子供部屋として活用することなど具体的な計画をまとめ、今年2月には、施設の設立母体となる組織の事務所用に同県内のビルの一室を借りる契約を済ませた。事務所の運営費の管理口座や電話回線も開設した。

 ところが、女性信者が3月初旬、「(人集めが)うまくいかない」と男性に伝えてきたため、計画は頓挫した。男性は「女性が信者とは知らなかった」と話している。

 教団広報部によると、女性信者は教団に対し、「教団とは完全に切り離した活動と考えていた」と説明しているという。

 公安当局は、上祐代表の乗用車が、男性が経営する旅館の近くに止まっていたことを確認しているが、教団広報部は「女性信者が上祐代表に相談したり了承を得たりしたことはない」としている。

 一方、公安当局によると、上祐代表は今年5月、約70人の幹部信者に対して「介護問題などに取り組む必要がある」と訴えたという。読売新聞の取材に、上祐代表は教団秘書室を通じて「教団が社会に受け入れられた後に社会貢献活動をすることが望ましいと考えている」とコメントしている。
(読売新聞) - 8月2日14時38分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050802-00000005-yom-soci