悪のニュース記事

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2005年07月07日(木) 00時00分

ウィニー被害 ソフトの危険見極めて 東京新聞

 秘匿すべき情報を誤ってネット上に流出させてしまう事件が続いている。ウィニーと呼ばれる無料ソフトに入り込むウイルスによるものが目立つ。危険性を再認識しネットを安全に利用したい。

 三菱電機子会社の社員のパソコンから原子力発電所に関する非公開情報が流出したのに続き、愛知県警東海署から捜査関係資料が流出するなど、不祥事が相次いでいる。

 これまでにもウィニーによる情報の流出元として京都府警、北海道警、陸上自衛隊、大学病院や自治体、学校まで枚挙にいとまがない。

 個人のプライバシーや、悪用されれば社会の安全を脅かされるような重要情報が、たやすく世界中に流出してしまうところにネット時代の恐ろしさを感じさせる。

 これまで幾度となくウィニーによる情報流出が報道され、各組織や企業は流出防止策の強化を図っているはずなのに、なぜか再発が続く。

 ウィニーがもっぱら個人の趣味や娯楽のためのソフトだと受け止められているために、利用者の警戒心がもう一歩足りないのではないか。

 ウィニーを使うと、ネット上で匿名のまま多数の相手と手持ちの映画や音楽を簡単にコピーし合える。

 便利さの半面、著作権のある映画や音楽を違法コピーする温床になりやすい。にもかかわらず、書類のコピー機と同じで違法なコピーさえしなければよいとして、愛用する人が多いのが現状だ。

 そこに加え、ウィニーを使っているパソコンに入り込んで中の情報をネット上に流出させるウイルスが現れたため、一転してウィニーの使用は危険と隣同士になってしまった。

 非公開情報を扱う職場では、情報流出を防ぐシステムや内規が整備されているはずだ。ところが、職場でやり残した仕事を自宅でやろうとして、パソコンを持ち帰ったり、データだけを自宅のパソコンに移し替えて、そこでウイルスに引っかかるケースが多い。

 職場に配備されたパソコンの台数が足りず、私用のパソコンを使わなければ仕事が回らないという実情がもしあれば、必要台数を早急に満たす職場側の配慮も必要だ。

 それでも、上司の許可を得るなど内規を順守した上で、自宅残業をせざるを得ない場合があるかもしれない。情報流出の危険はウィニーによるものだけではないが、最低限、残業に使う自宅のパソコンに、ウィニーを入れていないことを再確認するのはもちろんのこと、作業後はデータの完全消去を実行したい。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20050707/col_____sha_____003.shtml