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2005年07月05日(火) 03時06分

<医療過誤>手術翌日の吐血処置ミスで男性死亡 兵庫医大毎日新聞

 兵庫医大病院(兵庫県西宮市)で昨年11月、食道や胃にできた静脈瘤(りゅう)の破裂を防ぐ手術を受けた同市の男性(当時72歳)が、手術翌日の吐血に対する処置ミスで死亡していたことが分かった。近畿の3大学病院との提携に基づいて設置された同病院の外部調査委員会は、医師が処置器具の取扱説明書を斜め読みして使用していた——などずさんな対応を認定し「適切な処置と管理がなされていれば死亡に陥らなかった可能性は否定できない」と報告書で指摘した。同病院はミスを認めて遺族に謝罪、「大学病院に期待されているレベルの対応ができず、大変申し訳ない」と話している。
 報告書によると、手術は04年11月11日で、男性は翌12日夕、吐血。止血のため主治医の1人が、チューブについた風船を膨らませて出血部を圧迫する「SBチューブ」を挿入する措置を行ったが、男性は13日早朝に容体が急変、約5時間後に死亡した。
 不審に思った妻の訴えなどを受け、同病院は同日午後、病理解剖を実施。死因は食道と胃からの出血によるショック死で、4カ所に静脈瘤破裂がみられた。これを受けて、提携する4病院の医療安全担当医師や弁護士らで構成する同委員会を初めて昨年12月に設置し、調査を行った。
 報告書は▽医師がこのチューブを扱うのは研修医時代以来8年ぶりで、取扱説明書を「斜め読み」して挿入した▽挿入後、食道と胃の接合部に風船を固定することが必要だが、X線撮影などで確認しないまま、4人いる主治医全員が帰宅した▽男性は00、01年に今回と同様の手術を別の病院で受けており、過去の手術で静脈瘤の根元を縛るリングが外れやすくなっている可能性を家族に説明すべきだったのにインフォームド・コンセント不足だった——などと指摘。「医師の知識不足、判断ミスに起因する部分が多い」と結論付けた。
 同病院は、厚生労働省の承認を受けた高度な医療を担う特定機能病院。
 男性の妻は「夫の様子がおかしくなっても、部屋には連絡するためのナースコールが置かれていなかった。医師もほとんど姿をみせなかった。きちんと処置がなされていたら助かっていたかもしれないと思うと、やりきれない」と、病院の体制やずさんな治療に憤っている。【渋江千春】
(毎日新聞) - 7月5日3時6分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050705-00000011-mai-soci