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2005年06月30日(木) 00時00分

【関連】高齢者の不安狙い撃ち 『地震来れば倒壊』 家宅捜索を受けた住宅リフォーム会社「エム・エイチ・エス」が入居するビル=30日午前10時40分、東京都中央区八重洲で 東京新聞

 お年寄りを狙って悪質な住宅リフォーム工事を繰り返してきた業者に三十日、警視庁の強制捜査のメスが入った。元社員らが逮捕された東京都中央区にあった住宅リフォーム会社「サムニンイースト」(現リブロ)を舞台とした詐欺事件。住宅リフォームをめぐるトラブルで、国民生活センターに寄せられる相談は年間九千件を超える。「地震が起きれば倒壊する」などと不安をかき立てて契約を迫る悪質さが際立っている。 

 「今思うと、私なら簡単に契約が取れるとの評判が、業者間に広まっていたのだろうか」。東京都府中市の一人暮らしの六十代の無職男性は、一九九八年四月から昨年八月にかけ、訪問販売の住宅リフォーム業者六社と計十回にわたり計千八百万円の契約を相次ぎ結ばされた。

 男性宅は築五十年の木造二階建て。「改修しないと危ないですよ」。玄関先で業者に一時間以上粘られると、断り切れなくなり契約に応じた。このうち、二〇〇一年十月から昨年六月にかけて結んだ屋根や外壁の改修工事など四件、計約八百九十万円分がサムニングループとの契約だった。

 最近急激に表面化した悪質リフォーム業者問題を知って「自分もだまされたのでは」と不安になり、今月に入って東京都消費生活総合センターに相談。同センターが調べたところ、サムニンイーストが〇二年八月、百九十万円で屋根の改修を請け負った一年半後に、三百五十万円で再び屋根の改修を持ち掛けるなど不自然な契約を結んでいたことが判明した。

 「断り切れない男性の心理につけ込み、不要な契約を繰り返した疑いがある」と同センター。近く男性宅を調べて不要なリフォームが確認できれば、業者に工事代金の返還を求める考えだ。男性は「代金の支払いのために定期預金を解約した。少しでも代金が戻れば…」と肩を落とした。

 ■柱や床下…目の届かぬ『欠陥』指摘

 「無料で耐震検査をします」「アンテナが傾いているので三千円で修理します」。東京都消費生活総合センターによると、悪質なリフォーム業者は居住者の不安につけ込んで「無料」や「格安」をうたって訪問する。

 居住者が自宅内部を見せると「屋根裏の柱がずれている。地震が起きたら危ない」「床下に湿気がこもっている」などとさらに危機感をあおり、目が行き届かない場所の“欠陥”を相次ぎ指摘。契約を断ると、何時間も居座るケースがある。

 居住者が契約すると、耐震性と無関係な個所に補強金具を取り付けたり、余計な換気扇や調湿材を設置したりした揚げ句、法外な工事代金を請求。事前に見積書や契約書を提示せず、「格安のモニター料金での契約なので解約できません」とうそをつく場合も。

 国民生活センターによると、こうした訪問形式の住宅リフォームをめぐる相談は、二〇〇三年度に約九千五百件に上り、一九九五年度の約三倍に急増。〇四年度の相談では、契約者の平均年齢はおおむね六三・七歳だった。

 同センターは「地震が続き、被害者が増えている。見積もりを出さない業者との契約を避け、契約する前に複数の業者から見積もりを取って比較することが大切。高齢者世帯の場合は、身内が声を掛けてあげることが重要」としている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050630/eve_____sya_____001.shtml