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2005年06月30日(木) 03時00分

悪質リフォーム:115億円詐欺業者 典型的な点検商法毎日新聞

 「土台が腐っているので塗装した方がいい」。警視庁が詐欺などの容疑で幹部らの取り調べに踏み切る方針を固めた住宅リフォーム会社「サムニンジャパン」グループによるセールス方法は、悪質な訪問リフォームの典型的な手口だった。東京都消費生活総合センターに寄せられたグループに関する相談件数は00年以降228件、過去3年でも150件近くに上る。7割が高齢者からで、判断能力が十分でない高齢者が被害者のケースもかなりあるとみられる。

 同センターによると、グループが営業活動を本格化させた02年度から都内で寄せられた苦情・相談は、02年度60件(うち60歳以上の相談42件)、03年度70件(同49件)、04年度17件(同9件)、05年度(28日現在)1件(同1件)。営業マンが床下や屋根の点検名目で消費者宅に上がりこみ、巧みに不安をあおって改修工事の契約につなげるなど、典型的な「点検商法」の例が目立つという。

 04年6月に相談してきた70代の女性の場合、グループ中核の「サムニンジャパン」の営業マンが「床下の点検をしています」と訪問。“点検”してもらったところ「土台が腐っているので、床下塗装した方がいい」と勧められ、契約に応じた。塗装作業が終わると、今度は「水道管が腐っている」などと追加工事を持ちかけられて契約、計293万円の被害を受けた。

 認知症など判断能力が十分でないとみられる高齢者の被害も含まれているが、同センターは「こうしたケースは被害者本人が相談・苦情を寄せることはほとんどなく、センターで把握しているのは被害の一部だろう」とみている。

 昨年度、都内で寄せられた訪問販売に関する苦情・相談のうち、住宅リフォーム関連は1866件。センターは「ここ数年、国内で大きな地震が相次いだことで住宅への不安をあおるなど、被害を生みやすい状況を作り出している」と注意を呼びかけている。【須山勉】

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050630k0000m040157000c.html