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2005年06月30日(木) 00時00分

クボタ 石綿で従業員ら79人死亡 東京新聞

 大阪市の大手機械メーカー「クボタ」は二十九日、アスベスト(石綿)関連製品を製造していた工場で一九七八−二〇〇四年度にかけ、退職者や出入り業者、従業員ら七十九人が石綿が原因とみられる疾病で死亡したと発表した。うち七十八人が旧神崎工場(兵庫県尼崎市)に集中。同工場の近隣住民もがんの一種「中皮腫」を発病し、同社は治療中の三人に見舞金を支払うという。

 石綿を大量吸入すると中皮腫や肺がんを引き起こすとされ、同社は見舞金について「因果関係は不明だが社会的責任を明確にする」と話している。石綿問題に取り組む民間団体によると、この一年間に住民二人が中皮腫で死亡しており、同社は弔慰金支払いを検討中。

 一工場でこれだけ被害が拡大するのは異常で、環境省は「石綿の関連工場周辺で住民に健康被害が出たのは聞いたことがない」と話している。

 同社によると、旧神崎工場は一九五四年から操業を停止した九五年まで石綿を使った水道管や建材を製造。死亡した七十九人のうち七十四人が同工場従業員、四人が出入り業者だった。ほかの一人は小田原工場(神奈川県小田原市)の従業員で、両工場の退職者計十八人が療養中という。

 今年四月二十六日現在で、死者六十九人と療養中の退職者十四人が労災認定され、十人が申請中。同社は補償金を支払っている。治療中の住民三人は工場の半径一キロ以内に住み、うち二人は二十年近く暮らし転居。一人は現在も住んでいる。

 支援する尼崎市議が今年四月、クボタに相談。同社が三人と面会し、多額の治療費を負担していることから救済措置を決めた。金額は公表しておらず「因果関係は不明」として謝罪していない。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050630/mng_____sya_____009.shtml