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2005年06月29日(水) 02時57分

マルチ商法で400億円集金、強制捜査 健康食品販売「リッチランド」産経新聞

 高利の配当をうたい、一万人以上から総額四百億円以上もの投資金を違法に集めたとして、警視庁生活経済課は二十八日、出資法違反(預かり金の禁止)容疑で、健康食品販売「リッチランド」(東京都北区)の関係先三十数カ所を捜索した。警視庁は巨額詐欺事件に発展する可能性もあるとみて佐伯万寿夫会長(59)らから事情を聴いている。
 調べでは、リッチランドと関連投資会社「リッチトラストジャパン」(同)は、健康食品などを会員に買い取らせ、「下部会員を勧誘して販売すればリベートが得られる」とうたったマルチ商法の手法で会員数を拡大。元本保証を約束し、「販売代金は事業に投資し、二倍の配当が支払われる」との名目で出資金を集めていた疑い。
 配当は滞っており、出資金の大半が投資事業には回っていなかった。投資事業には、東欧での不動産開発や財宝を積んだ沈没船の引き揚げ計画などがあった。
 民間の信用調査機関によると、リッチランドは平成十一年設立で資本金二千万円。十六年十一月期の売上高は約二十八億円。
     ◇
 ■「渡り鳥」暗躍被害連鎖 「取り戻せる」破綻会員勧誘
 海外ファンド、健康食品、和牛…。さまざまな「投資」名目で高額配当を約束し、出資金をだまし取る利殖商法が後を絶たない。マルチ商法を渡り歩き、そのノウハウを伝達する人間も少なくない。被害が繰り返される背景には「こうした“渡り鳥”の暗躍がある」(警察幹部)という。
 「リッチランドの関係者にも以前摘発されたマルチの幹部がいる」と警視庁幹部は明かす。
 この関係者は、静岡市を中心に元本保証と高配当をうたって資金を集めた「和牛商法」の出資法違反罪で有罪判決を受けていた。警視庁が今月十五日、詐欺容疑で代表ら五人を逮捕した「やまびこ会」にも、平成九年に摘発された「経済革命倶楽部(KKC)」の残党がいたとされる。
 また、大阪府警が昨年から今年にかけて摘発した「グランドキャピタル」の出資金詐取事件では、元幹部会員の男が「多額の利益を得た」として、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の幇助(ほうじょ)容疑で逮捕された。この男は十四年に摘発された「全国八葉物流」の元トップ会員。ネットワークビジネスとも呼ばれるマルチ商法を渡り歩いて客となる一方、多くの下部会員を勧誘する「マルチネットワーカー」の一人だった。
 マルチの幹部や上部会員に渡り鳥が多い一方、被害者側にも同じ顔ぶれがみられる。やまびこ会やリッチランドの被害者には八葉物流の被害者が少なくない。いずれも「八葉物流の分を取り戻せる」と勧誘された。
 捜査幹部は、「破綻(はたん)したマルチの会員名簿が再利用されている。被害を取り戻そうとする気持ちに付け込み、新たな被害の連鎖が繰り返されている」と指摘している。
(産経新聞) - 6月29日2時57分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050629-00000020-san-soci