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2005年06月19日(日) 00時00分

県民守れ 消費生活条例県消費者センターに掲示された啓発ポスター=松江市で朝日新聞・

架空請求・ヤミ金被害、許さない

 架空請求、ヤミ金、訪問販売——。県消費者センターに寄せられる相談は、10年間で5倍以上にふくれあがった。手口も巧妙で被害は深刻さを増している。県は消費生活問題の体制を強化するため、「県消費生活条例」案を6月議会に提案する。迅速な対応、地域などとの連携で、解決につなげたい考えだ。

相談件数が過去最高 昨年度

 ◆融資で詐欺に

 「融資を申し込んだが、次々とお金を請求されて困っている」

 昨年末、県東部の50代女性から同センターに相談があった。

 女性は届いたダイレクトメールを見て、業者に80万円の融資を申し込んだ。ところが融資に関連し、業者は立て続けに支払いを請求。融資のための保険料、利息、保証料などとし、女性は計約50万円を支払った。同センターは融資詐欺の疑いを指摘し、警察に被害届を出すよう助言した。

 ほかにも「無料で床下を点検します」と訪れた業者に勧められ、自宅床下に必要のない120万円の換気扇をつけられた50代の女性、リウマチに効くと健康食品を勧誘され、断れずに約25万円分を契約した80代の女性ら被害相談は様々だ。


 04年度、同センターにあった相談は1万4176件(問い合わせ670件、苦情1万3506件)で過去最高だった。10年前の2629件の5・39倍、03年度の1万2407件より1・14倍増えた。04年度は、1位がアダルトサイト利用料の架空請求など「オンライン等関連サービス」で7093件、2位がヤミ金融など「フリーローン・サラ金」の1847件。相談者の年代は40代が約20%と最も多かった。

 ◆条例全面改定

 県は相談件数の増加や04年の国の「消費者基本法」制定などを背景に、76年制定の「県消費者保護条例」の全面改定に乗り出した。改正条例は消費者の自立支援などを理念に「県消費生活条例」と名称を変え、現行条例ではできない悪質業者の公表や、被害を与える恐れのある商品について業者に説明を求めることが県で可能になる。また、県民が被害を知事に文書で申し出ることができる。

 新条例は6月議会で議決され、10月1日施行の見通し。県は「被害の早期発見、対処に結びつく」と期待する。

 ◆地域との連携

 現在、県内には松江、益田両市に同センター窓口があり、相談員計9人で対応するが追いつかない状況。松江では5月末から月〜金曜の相談に加え、日曜の電話相談を始めた。

 一方で県内には、市町村レベルの消費者センターはゼロ。財政難や人材不足が理由とみられるが、同じ状況は全国で島根県と和歌山県だけだ。

 県は市町村に働きかけるとともに、住民や民間団体、大学との連携を進める。地域の「消費者リーダー」を育成するため住民や行政担当者らに研修で法律や関連知識を学んでもらい、専門相談員の資格取得を目指す。島根大学や生活協同組合など相談活動を委託できる団体を募集している。

 県環境生活総務課は「消費者が多くの知識を持ち、地域のつながりを生かして被害防止につなげたい」としている。(6/19)

http://mytown.asahi.com/shimane/news01.asp?kiji=5489