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2005年06月17日(金) 02時48分

光ファイバー普及へ各社四苦八苦 夢の回線伸び悩み産経新聞

IP電話などセット…サービスに知恵
 通信各社が高速大容量(ブロードバンド)の光ファイバー回線を利用した家庭用通信サービスの普及に知恵を絞っている。高速インターネットといううたい文句だけでは、現在のADSL(非対称デジタル加入者線)で十分という声もあり、需要喚起が難しいからだ。NTT東日本・西日本では今春から一般電話と同じ番号が使える割安な光IP電話の本格展開に乗り出したほか、ソフトバンクは七月からテレビ視聴を標準セットした新サービスを打ち出すなど、各社の競争が熱を帯びてきた。(冨岡耕)
 NTT東西では、今春に提供地域を全国に広げた「ひかり電話」の本格展開を始めた。ADSLを利用したIP電話は、特別な番号が必要で警察などへの緊急通報もできなかったが、高速大容量の光では一般電話番号が継続利用でき、品質も高い。加入者はまだ数万件にとどまっているが、「ひかり電話を引き金にして、NTT一般電話利用者に光サービス加入を促したい」(中村雅範NTT東日本IP販売推進部門長)と意欲を示している。
 また、通信各社が力を入れているのが、映画やテレビなど放送と通信の融合を目指したサービスだ。
 ■映像配信を目玉に
 ソフトバンクは、七月一日から「高速インターネット」「光IP電話」に加え、ビデオや地上波テレビが視聴できる「放送」の三点を標準セットにしたサービスを開始する。孫正義社長は「光ファイバーでテレビを変える」と明言しており、ADSLでは難しかった高画質なハイビジョン番組などを配信し、約四百八十万人いる業界最大のADSL会員に光への移行を促す考えだ。
 USENも四月から無料放送「ギャオ」を開始したほか、東京電力系のパワードコムも七月からいつでも好きなビデオが視聴できるビデオオンデマンド(VOD)サービスを始める。
 各社が付加サービスを拡大させる背景には、市場予測よりも光の普及が遅れており、新たな提案力が必要と判断したからだ。
 光は通信速度がADSLの二倍以上の毎秒百メガビット、基地局からの距離に応じた速度低下もない「夢の高速ネット」として鳴り物入りで登場した。だが、家庭用高速通信の加入者数(平成十六年末)は、ADSLの千三百五十万件に対し、光はわずか二百六十万件と足元にも及ばない。KDDIの小野寺正社長も「今の時点で光が市場として立ち上がっているかは疑問」と指摘している。
 ■割高料金がネック
 「ADSL加入者の大半がメールやショッピングで使っている」とされており、ADSLより割高な光に移行する明確な理由がないのが実情だ。このため、「ADSLでは不十分だった放送サービスなどで訴求力を高めたい」というのが通信各社の計画だ。これに連動した各種割引キャンペーンも加速している。
 ただ、普及にはなお課題もある。ADSLが従来の銅線を利用するのに対し、光は建物内に光ファイバーを敷設する必要があり、手続きが複雑になる。既築マンションの場合、管理組合の手続きなどで実際に採用されるまでには数カ月かかることもある。各社とも「管理組合のあとには個別住民への説明会もある。ADSLのような代理店販売はできない」と頭を抱えており、市場拡大に向けたハードルは高い。
(産経新聞) - 6月17日2時48分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050617-00000014-san-bus_all