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2005年06月17日(金) 17時30分

悪質リフォーム:「ひどい」多額契約、耐震工事した家を建築士が点検−−今治 /愛媛毎日新聞

 ◇不要でずさん、的外れ
 今治市に住む精神疾患の男性(62)が複数のリフォーム契約を繰り返し預金約3000万円を失った問題で、県内在住の一級建築士2人が16日までに男性宅を訪れ、耐震名目の工事が施された男性宅の天井裏を点検した。建築士らは「(工事は)不必要で的外れ。一目見るだけで分かる」と口をそろえた。地震への備えをうたい文句にしたずさんな工事の実態が浮かび上がった。
 2人の一級建築士は、県建築士会に所属し、40年以上の経験を持つベテラン。天井裏の耐震工事を行った業者は不明で、契約内容や金額は分からないが、工事が有効かどうかを調べるため、男性や親族の了承を得て毎日新聞の取材に同行してもらった。
 懐中電灯を手に天井に上がった建築士らは「こりゃひどい」と声を上げた。約30平方メートルの天井裏にはL字型の金具が密集して取り付けられている。「金具自体は本来の耐震工事でも使われるものだが、取り付ける位置が全く違う」と首を振った。
 建築士らによると、住宅の土台や、階と階の間の梁(はり)など大きな力がかかる部分を金具で補強するのが本来の耐震工事。男性宅のように天井裏の柱に細かく取り付けても効果がないという。「建物の根幹部分を補強しなければ耐震工事とは言えない。金具を数多く取り付けているだけで、見かけだけの工事だ」と話した。
 ◇天井裏の換気扇、熱持ち逆に危険
 「天井の空気を循環させるため」と説明された6個の換気扇も不要だという。男性宅は三角形の屋根がついた木造住宅で、屋根裏の上部に熱がたまりやすい。しかし換気のための穴を設けるなどするだけで、天井裏の熱を逃がすことができるという。建築士は「付けるにしても1個で十分。また換気扇自体が非常に熱を持っており、火災の原因にもなりかねないので使わないほうがよい」と逆に危険性を指摘。
 男性は業者に「建築基準法に違反している」と契約を迫られたという。建築士らは「建築基準法は施行前に建てられた建築物には適用されない。工事の必要性を感じたら、市役所などの行政機関に相談し、信用できる業者を紹介してもらうべき」と話した。【津久井達】

6月17日朝刊
(毎日新聞) - 6月17日17時30分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050617-00000168-mailo-l38