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2005年06月13日(月) 23時32分

迷惑なスパム電話は法で制することができるのか - 韓国情報通信部の成果MYCOM PC WEB

韓国政府の情報通信部( http://www.mic.go.kr/ )は9日、携帯電話に送られる不法のスパム電話やスパムメール(以下、スパム電話)計30件を摘発し、これらに対し総額4億5000万ウォン(約4500万円)の過怠金を課したことを明らかにした。うち、比較的軽い27件に関しては是正命令を出している。

摘発の詳細は、060サービス(接続すると有料で情報提供を行う、日本で言う「ダイヤルQ2」のようなサービス)を利用した成人・出会い系サービスが15件でもっとも多く、続いてローン、サラ金などお金の貸し出しが9件、商品やサービスに関する広告6件といった順位となっている。とくに不特定多数に対して無作為に送られ、100件以上もの通報があった同一番号の060スパム電話2件と、サラ金関連のスパム電話8件については、法律の上限である3000万ウォン(約300万円)の過怠金が課されることとなった。

韓国では、昨年から今年にかけて携帯電話へのスパム電話やメールの問題が深刻化している。メールの場合はおもにSMS形式で送られ、電話の場合は、かかってきた電話をとった瞬間に録音された広告の音声が流されるというものが一般的だ。内容は前出のように、出会い系やサラ金が大部分を占めるが、このほかにも不動産売買や運転代行など、さまざまな種類がある。電話番号も060だけでなく、類似したサービスを行っている080や1588など、こちらも多様だ。勤務中や授業中にかかってきたり、子どもに成人系のメールが送りつけられるなど、時間や場所、場合もわきまえないスパム電話やスパムメールに、韓国ユーザの不満は一気に増しマスコミをさわがせた。さらに昨年末には、高所での作業中に突然かかってきたスパム電話がきっかけで、ビルから落下して死亡するという事故まで起きてしまったため、一時は社会問題にまで発展した。

ただし、スパム電話をまったく自力で防止できないわけでもない。060-600で始まる番号はDACOM、060-700はKT、060-800はハナロ通信、060-900はオンセ通信といったように、番号で電話会社が特定できるためである。もしこれらの番号からかかってきた場合は、それぞれの電話会社に遮断してほしいとの旨を伝えれば食い止めることができるため、政府や電話会社による活発な呼びかけが行われた。また携帯電話キャリアでも、060からかかってくる全ての電話を遮断してくれる無料のサービスを用意するなど、対応を徹底させた。しかし電話会社に要請をしても、完全な遮断までには3週間程度かかることと、たとえ遮断しても次々と別の業者が現れること、またユーザ側でもあきらめて泣き寝入りするなどの理由から、いまひとつ効果をあげられなかったのが事実である。

そこで情報通信部では2004年12月に「情報通信網および情報保護等に関する法律」を改正。これに従って2005年2月からスパム電話のモニタリングを行った後、3月31日からは「Opt-in制度」を導入し、スパム電話の取り締まりに本腰を入れ始めた。Opt-in制度とは、受け手の同意なしに電話やファックスによる広告を禁止する制度である。それまでの法律では、受け手が受信拒否の意思表示をして初めて、送信不可となる「Opt-out制度」がとられていた。さらに同部では、不法スパム対応センター(以下、対応センター( http://www.spamcop.or.kr/ )をあらかじめ設置しており、電話やインターネットによるスパム電話の申告受付や相談を行うなど、対応にあたっている。

情報通信部によると、Opt-in制度が導入されてから、1人あたりが受信するスパム電話は、1日平均0.62通となっており、2004年12月の1日平均1.7通と比較しても約64%も減少している。これだけでもOpt-in制度が大きな成果をあげていることが見て取れる。

しかし、それでもいまだ不法のスパム電話が存在しているのは事実だ。最近は060で始まる番号からかかってきた電話は受け取らないユーザもいるため、業者ではソウル市の市外局番である「02」や、ソウル市郊外の局番でかけるなど、あの手この手でスパム電話攻勢をかけている。情報通信部Webページの掲示板にも、スパム電話を受信したとの通報がいまだ後をたえない。対応センターによると、Opt-in制度の導入後、060成人・出会い系サービスの電話が減少したのと同時に、不動産や運転代行など他の広告の割合が増えるなど、内容も多角化しているほか、URLをクリックしてインターネット接続に誘導するといったSMSも増えているという。

これに対し情報通信部では、取締りのさらなる強化を宣言している。また2005年下半期には、eメールスパムの防止対策も立てる予定だ。スパムメールは世界的に深刻な問題だが、それをどう防ぐのか方法を探る上でも、韓国の政策は注目に値するといえるだろう。

(佐々木朋美)

最も厳しいスパム法規制!? オプトイン方式の義務付け、受信者の提訴権を検討
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2005/05/23/001.html

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http://pcweb.mycom.co.jp/articles/2005/05/11/spam/

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http://pcweb.mycom.co.jp/news/2005/06/02/003.html

韓国情報通信部
http://www.mic.go.kr/

(MYCOM PC WEB) - 6月13日23時32分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050614-00000090-myc-sci