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2005年06月04日(土) 00時00分

建築士に聞く 悪質リフォーム手口と対処法朝日新聞・

1級建築士 石田隆彦さんに聞く 悪質リフォームの手口と対処法  

「近所の見守り 有効」


 富士見市の認知症(痴呆(ち・ほう)症)の姉妹宅で、計約5千万円分の不必要なリフォーム工事が、少なくとも19業者によって繰り返された。床下には調湿材が最大20センチまで積もり、屋根裏には床下に取り付けるはずの耐震用金具が31本取り付けられている。市から姉妹宅の調査を依頼された1級建築士の石田隆彦さんに悪質な業者の手口、その対処法について聞いた。(聞き手・杉本崇)


無料点検後、高い契約

 ——悪質リフォーム問題に取り組むようになったきっかけは。

 父が脳梗塞(のう・こう・そく)で倒れたのを機に、高齢者や障害者のための住まいのサポート活動を始め、バリアフリーの工事などを請け負っていた。契約した高齢者の中に悪質リフォームにだまされた人が何人もいた。被害に遭った高齢者らの手助けをするうちに「悪徳リフォーム対策に取り組む1級建築士」のイメージが広まり、毎年約50件の相談を受けるようになった。


 ——悪質業者の典型的な手口は。

 一番多いのは配水管の点検・清掃を装うケース。「市役所の委託できました」などと名乗り、無料点検と称し、家の周りを見回る。そこで少し親しくなると「床下を見せて下さい」と言う。家にあがられると断るのはかなり難しくなる。

 点検を終えると「床下がじめじめしているので家が腐り、シロアリが繁殖する」とパニックに陥れる。その後も「この家は構造上地震にも弱いので耐震用金具が必要だ」などと次々にたたみかけ、高額な契約を結ばせる。

 次に多いのが訪問販売業者と契約したことがある人が狙われるケース。床下換気扇を取り付けている家、シロアリ駆除をして玄関ドアに工事済みのステッカーがはってある家などは要注意だ。これらは業者にとって訪問販売にひっかかる家という目印になってしまう。一度、訪問販売で買ったことのある人は何度も繰り返し訪問販売で買う傾向がある。


 ——約1千万円のリフォーム契約を結ばされた狭山市の78歳の女性は強引に工事を勧める業者に恐怖心を抱いたと言っている。

 悪質リフォームの手口は「天使のように近づき悪魔の顔で販売する」と言われている。最初は若い男が孫のように「おじいちゃん、おばあちゃん」と近づく。しかし、契約を断ると、一変し「これだけ長い時間付き合わせて、それはないだろう。おれの時間をどうしてくれるんだ」と怒鳴る。携帯電話で仲間を集めて3、4人でたたみかける。「本当は断りたかったんだけど怖くて断り切れなかった」という被害者の声もよく聞く。


「息子と相談」で撃退を

 ——防ぐ方法は。

 被害者は埼玉都民第一世代が多い。60年代に上京し、埼玉県で建売住宅を買って、住み出した人たちだ。今は80、90歳ぐらいで近所に昔からの知り合いがいない。ずっと東京で働いていたため、地域でも孤立しがちで、相談できずにだまされる。

 最も有効な方法は近所の見守り。近所で孤立しないよう交流の場を設けることが大切だ。難しければ子どもが代わりに近所に見守りをお願いし、その人と緊密に連絡を取りあうのもいい。


 ——業者が家に上がってしまった場合はどうすればいいか。

 「一人じゃ決断できないから息子と相談する」と言うのが効果的だ。誰かに相談すれば契約内容がおかしいのに気づく。あまりに脅すようだったら警察に電話する。それだけで業者は「すぐに通報される」と警戒して、近づかない。もしだまされてしまったら迷わず消費生活センターに電話してほしい。クーリングオフ、返金交渉などの解決方法もある。


いしだ・たかひこ

 入間市出身、42歳。1級建築士、福祉住環境コーディネーター、福祉用具専門相談員などの資格を持ち、建築会社「石田興業」専務取締役。01年、高齢者や障害者のためのバリアフリー普及に取り組む団体「ピュアライフ・ネットワーク」を立ち上げ、翌年にNPO法人認証を取得すると理事長に就任した。介護や悪質リフォームについての多数のセミナーで講演している。
(6/4)

http://mytown.asahi.com/saitama/news01.asp?kiji=6680