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2005年05月31日(火) 16時29分

「ワンクリ」被害阻止、都指導で接続5社が契約解除へ読売新聞

 「ワンクリックサイト」を巡る架空請求被害が続発していることを受け、東京都の指導で接続業者5社が悪質なアダルトサイト運営会社との契約を一斉に打ち切り、ネットからの締め出しをはかることが31日、わかった。

 全国規模のネット市場に対し、地方自治体の都には条例以外に規制手段がないため、特定商取引法に基づく「違法性」の認定を経済産業省から得ることで規制の網をかけ、接続業者が契約打ち切りの手続きに踏み切る形となった。

 接続業者に契約打ち切りを促すため、自治体が監督官庁の経産省の「違法認定」というお墨付きを得る規制手法は全国で初めて。同省では「先例になれば」と期待している。

 都によると、接続業者5社は、早ければ31日にも事業者と契約を解除、計12サイトが姿を消すという。

 都のホームページには今年3〜5月だけで、約8600件に上る「ワンクリ」への被害相談が寄せられていた。都はこの中から、わずか2回のクリックで約9万円を請求したり、「警察に被害届を出す」と脅迫メールを送りつけたりするケースを、「悪質」と判断。運営業者を特定するとともに、手口や実態を経産省の消費経済政策課に説明。同課では、顧客の意に反した契約を禁じる、特定商取引法・通信販売規制に違反すると判定した。

 一方、電気通信事業法は、顧客への一方的なサービス停止を禁じており、接続業者には、サイト運営会社との契約をむやみに断ち切れない事情もある。このため、同法を所管する総務省が、接続業者で作る「日本インターネットプロバイダー協会」など業界3団体に対し、事務担当者と面接するなどして、都の指導受け入れを呼びかけた。その結果、3団体が協力を約束した。

 被害把握など消費生活条例に基づく権限が域外に及ばない自治体が、単独で全国ネットの会社に「削除」を迫るのは難しいとされていたが、都では「国にお墨付きをもらうことで、一つの自治体に過ぎないという問題を克服できた」としている。

 経産省消費経済政策課では、自治体が参考にできるよう悪質サイトの特商法違反事例を同省のホームページで公開するなど、協力する構えで、「悪質事業者の活動を封じ込めることができれば」と話している。
(読売新聞) - 5月31日16時29分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050531-00000006-yom-soci