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2005年05月28日(土) 03時03分

<悪質リフォーム>半数が架空契約か 工費、部品代の70倍毎日新聞

 埼玉県富士見市の認知症(痴呆)の姉妹が全財産を失った訪問リフォーム問題で、19社・57回計約5000万円分の工事のうち、約半数は実際には施工していない「架空請求」の可能性が高いことが分かった。市の依頼で姉妹宅を調べた一級建築士が、書類と工事実績を照合した。工費も最高、部品代の70倍以上で請求するなど、姉妹の認知症につけこむ悪質さが際立ってきた。【扇沢秀明】
 富士見市によると、姉妹宅の工事契約は02年17回▽03年13回▽04年22回▽05年5回——の計57回にのぼる。しかし、バリアフリー住宅NPO(非営利組織)「ピュアライフ・ネットワーク」理事長の一級建築士、石田隆彦さんが、残された領収書などの工事明細と現状を照合したところ、明らかな食い違いが表れた。
 例えば、床下で家の土台を補強するジャッキ状の金具「鋼製束」は、少なくとも2業者が計90本設置したことになっているが、実際は天井に付けられた不要な分を入れても、31本しかない。2業者が30個設置したはずの「オゾン発生器」も4個しか見つからなかった。
 また、領収書では2業者が計4回「ネズミ工事」をしたことになっているが、これが何を意味するのか不明。天井裏に殺そ剤をまいたような跡があるだけで、該当工事は見あたらなかった。
 こうして書類上の工事個所を合計していくと、実際の約2倍になったという。ただでさえ不要な工事を繰り返したうえ、付ける場所もなくなって、手口が大胆になったとみられる。
 一方、請求額も常識外れだ。石田さんによると、原価2500〜5000円、工賃込みでも高くてその2倍程度の耐震金具が「1本18万円」という領収書があった。安い旧型品だったため、原価比で70倍を超える。
 また「鋼製束」は工賃込み1本1500円程度が相場だが、別の業者は02年10月に2万5000円、翌11月には20倍の1本3万円で契約。1袋約1500円の調湿剤を2万円(13.3倍)▽工賃込み1個約1万4000円のオゾン発生器を8万円(5.7倍)——で契約した業者もあった。
 石田さんは「まだ調査中で契約書も不明点が多く、全容は判明しないが、工事はずさんなうえ、契約内容の半数も施工していないようだ。工費も異常な高値で、やりたい放題だった状況がうかがえる」と憤っている。
(毎日新聞) - 5月28日3時3分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050528-00000017-mai-soci