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2005年05月27日(金) 17時40分

ファイル交換システム『ビットトレント』に初の強制捜査WIRED

 米連邦捜査局(FBI)の捜査官が25日(米国時間)、映画産業から提供された詳細な情報を基に、海賊行為が横行する人気のファイル交換サイトの管理者とユーザーの強制捜査を実施した。当局によると、『ビットトレント』ユーザーに対する初の法執行になるという。

 FBIと米移民関税執行局(ICE)の捜査官は、オランダでホスティングされている無料の会員専用ビットトレント・アグリゲーター『 http://www.elitetorrents.org/ エリートトレンツ』(elitetorrents)の取り締まりにあたり、9つの州で10通の捜査令状を執行した。捜査当日にサイトを訪れたユーザーは、当局が新しく開設したページへと転送された。そこには、インターネット上での海賊行為に対する罰則を伝える厳しい警告文が掲載されていた。「エリートトレンツのネットワークの運営または利用に関わった者は、違法な著作権侵害行為により捜査対象となる」

 サンディエゴの連邦特別捜査班によって行なわれた強制捜査は、サイト名をもじって『D-Elite作戦』[「delete」(削除する)とかけている]と命名された。捜査対象は、エリートトレンツの管理者とされる複数の人物と、著作権物をとくに大量に提供している疑いのある数名の「アップローダー」だった。捜査を指揮したICEの監視官、ジム・セベル氏は、「われわれは数十テラバイトのレベルの問題にしている」と語る。

 セベル氏によると、米国外にいる別の10名の容疑者についてはまだ調査中で、今回の家宅捜索の対象にはならなかったという。常習ではないダウンローダーたちも捜査を免れたが、ワシントンの司法省の報道官は、今後、こうした人々を連邦政府が取り締まりの対象とする可能性を否定しなかった。この報道官は、「われわれは現時点で、個々のユーザーに対してコメントする立場にはない。この段階での焦点はリーダーたちで、そのために、彼らの居住地で捜査令状が執行された」と述べている。

 捜査では、国土安全保障省(DHS)最大の調査部門であるICEが、その国際的視野の広さを買われ陣頭指揮を執った。

 強制捜査は、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の海賊版を撒き散らしたとして、米映画協会(MPAA)がビットトレントを激しく非難してから、1週間もたたないうちに実行された。政府によると、『シスの復讐』は劇場で初めて公開される6時間以上前にエリートトレンツから入手可能となり、その後24時間で1万回以上ダウンロードされた。映画が公開された19日にグーグルが取得したサイトのトップページのキャッシュを見ると、サイト管理者が、突然押し寄せたスター・ウォーズ・ファンによる負荷でサイトがつぶれそうだとこぼし、サーバーをアップグレードするための寄付を求めていることがわかる。

 エリートトレンツはユーザーに対し、他のダウンローダーたちに提供する帯域幅の量に応じてレベルの異なるアクセス権を与えており、気前よく帯域幅を提供しているアップローダーが、最初に新作を入手できるようになっている。

 司法省は、エリートトレントの最重要人物たちをどのようにして特定したかを明かさなかったが、ICEのセベル氏は、MPAAによって特定されたとしている。MPAAは、何らかの方法でサイトのサーバー・ログに関する情報を得ている。

 「MPAAはわれわれにサーバーのログとデータにつながる情報を提供してくれた……ユーザーとアップロード、ダウンロードのログだ」とセベル氏は語る。同氏によると、MPAAはファイル交換者のIPアドレス——どんなピアツーピア(P2P)・ネットワークでも簡単に取得できる——のリストを提供しただけでなく、「サーバーからの実際の記録」の一部も発見したという。

 MPAAのディーン・ガーフィールド副会長兼法務責任者は、捜査に協力したことは認めているが、ログの取得に関する協会の役割については肯定も否定もしていない。「われわれは、可能な援助は何でも提供しようと努めた」。また、MPAAは当該サイトをハッキングしたのかとの問いには、「私は、MPAAがハッキングや迂回といった類いの行為を一切していないと明言できる」と答えている。

 ビットトレントは、ファイルの配布にかかる帯域幅の負担をダウンロード・ユーザーに分配することによって、インターネットでのファイル転送を高速化した。ビットトレントのファイルをダウンロードするユーザーは皆、同時に他のユーザーに対してアップロードすることになる。

 強制捜査が実施された25日、ビットトレントを作ったブラム・コーエン氏率いる米ビットトレント社が、P2Pプロトコルによってダウンロードできるファイルの検索とカタログ化に特化した http://search.bittorrent.com/ 検索エンジンを立ち上げた。この検索エンジンの提供により、コーエン氏が http://www.wired.com/news/ebiz/0,1272,67596,00.html 法的措置の対象になる可能性があると考える専門家もいる。しかし、ガーフィールド副会長によると、MPAAはP2Pプロトコル自体が違法だとは考えておらず、コーエン氏の検索エンジンを攻撃するつもりはないという。

 「コーエン氏が、MPAAと協力して(検索エンジンが)海賊行為のツールとならないよう気を配り、ビットトレントが社会の共有財産となっているコンテンツを配布する強力なツールになり得ることを証明したいという自身の発言に真に応えることを、われわれは期待している」とガーフィールド副会長は述べた。

[日本語版:石川あけみ/高森郁哉]日本語版関連記事

http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20050526202.html ニュースグループ:違法ファイル入手手段として再登場?

http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20050307203.html 『シネクエスト映画祭』、P2Pで出品作をダウンロード提供

http://hotwired.goo.ne.jp/news/business/story/20041215103.html MPAA、P2Pでの映画の入手を助けるサーバーの運営者を提訴

http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20040317307.html 『RSS』と『ビットトレント』を組み合せ、快適に大容量ファイルをダウンロード


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(WIRED) - 5月27日17時40分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050527-00000004-wir-sci