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2005年05月26日(木) 00時00分

松本の認知症女性 修理など600万円契約朝日新聞・

 松本市の独り暮らしの女性(64)が2年間に計約600万円の住宅リフォーム工事や訪問販売の契約を14業者と結び、家族が「不当な契約」として業者に返金を求めていることが25日分かった。女性は認知症(痴呆(ち・ほう)症)で、家族から相談を受けた県松本消費生活センターは「内容がよくわからないまま契約を繰り返した可能性が高い。判断能力の不足に乗じた契約を禁じる特定商取引法に抵触する疑いがある」とみている。
 同センターによると、女性宅にリフォーム業者などが頻繁に出入りし、近隣の住民が今年3月、市社会福祉協議会に連絡。女性のバッグから大量の契約書や領収書が見つかった。病院で診察した結果、認知症であることが判明した。
 契約書類によると、03年4月に、築36年になる女性宅の屋根の修理を大阪の業者と250万円で契約。その後、今年2月までに、床下の湿気を取り除く調湿剤や換気扇、配水管の洗浄工事といった住宅リフォーム関係の契約を4業者と計10件交わしていた。
 調湿剤は03年8月に神奈川県の業者が3万円で契約したが、わずか8日後に静岡県の業者が31万円で契約。さらに1年後、県内の業者がシロアリ駆除や配管補修などとともに21万円で請け負っていた。床下の換気扇も昨年、調湿剤を入れた業者など2業者が7台を設置。金額は計約70万円だった。配水管の洗浄も03年8月から1年間に、3業者が行っていた。
 県内のある中堅建設業者は「一般住宅の床下に調湿剤を入れたり換気扇を設置したりすることはほとんどなく、効果も疑問」と指摘する。
 また、女性は数十万円の布団や貴金属、健康器具なども訪問販売で購入。リフォーム関係を含めて判明しただけで14業者と計約600万円の契約をしていた。
 女性は7年前から独り暮らしで、次男(32)は「異変に気づかなかった」という。7業者とは和解が成立し、契約金の一部が返金されたが、「認知症と分かって契約していたら悪質だ」と話している。
 返金に応じない神奈川県内の業者は「(女性は)契約時に判断能力があった」と主張している。
 県生活文化課によると、県内の各消費生活センターに寄せられた60歳以上の認知症や知的障害、その疑いがある高齢者の訪問販売トラブルの相談件数は、04年度に88件あった。01年度(29件)、02年度(32件)、03年度(49件)と増加傾向にあり、同課は「業者間で個人情報をやりとりしている疑いはあるが、実態は不明。被害防止のため、家族や近隣住民、民生委員らのサポートが必要」と話している。(5/26)

http://mytown.asahi.com/nagano/news02.asp?kiji=5410