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2005年04月21日(木) 11時59分

<ネット自殺>志願者特定の手続き明確化 対策会議が提言毎日新聞

 インターネットで仲間を募り自殺する「ネット自殺」の急増を受け、警察庁の有識者会議「総合セキュリティ対策会議」(委員長=前田雅英・首都大学東京教授)は21日、警察が接続事業者などから自殺予告者などの情報提供を受ける手続きを明確化する報告書をまとめた。これまで警察側が情報を求めても、「通信の秘密」を理由に事業者側が拒否するケースもあったが、今後は基準の明確化で統一した運用を図る。警察庁は6月から実際の運用をスタートし、自殺予告者の保護など迅速な対応を目指す方針だ。
 報告書は、「自殺予告」「集団自殺の呼びかけ」「殺害予告」の書き込みについて、それぞれ切迫した具体的期日、場所、手段などが示され、「死にます」などの記述がある場合には、人命保護のために事業者側が緊急の対処を必要とするケースと規定。ネット掲示板の管理者などから通報を受けた警察が、書き込んだ人物の個人アドレスを管理する事業者に情報開示を求めた場合、事業者側は警察から照会文書の提出を受けて判断したうえで、氏名、住所など個人の特定につながる情報の迅速な提供が必要としている。
 事業者は「緊急避難または正当防衛」の場合を除き、通信の秘密に関する事項を開示してはならないと義務付けられている。大手接続事業者が加入する社団法人「テレコムサービス協会」(東京都)は、「自殺予告など」が緊急避難にあたるとガイドラインで定めているが、これまで警察の要請を受けても対応に時間がかかったり、拒否するケースもあった。
 同庁によると、ネット自殺者は判明しているだけでも03年は12件、34人、04年は19件、55人、今年は3月末までで20件、54人と急増している。
 03年7月には、掲示板管理者から「少女が自殺予告の書き込みをしている」と通報を受けた新潟県警が、アドレスを管理している事業者を説得。書き込んだのは契約者の娘と判明し、別の自殺志願者とカラオケ店にいるところを発見、保護した例がある。
 同協会は「運用面での基準ができたことで事業者も判断しやすくなった。今後はいかに迅速に対応できるかが課題」と話している。【河嶋浩司】
 ◇より巧妙化する可能性も
 ネット自殺に詳しいジャーナリスト 渋井哲也さんの話 今回の報告書で自殺志願者の心に、一時的にブレーキがかかる効果は期待できる。しかし、チェックにかからずに仲間を募るため、他人のメールアドレスから発信するなど、より巧妙化する可能性も否定できない。
 ◇言論の自由と人命保護のバランスどうとる
 石村耕治・白鴎大教授の話 人命を守る場合には、個人情報の収集に問題はないだろう。しかし、一方で、インターネット上の書き込みだけで、個人情報の提供を受けるのは、言論の自由を侵害する面もあるといえる。人命保護とのバランスをどうとっていくかが重要になるのでないか。
(毎日新聞) - 4月21日11時59分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050421-00000057-mai-soci