2005年04月16日(土) 17時25分

振り込め詐欺：「下ろし屋」被告、５億円引き出し上納−−検察側冒陳　／山口（毎日新聞）

　暴力団関係者と少年らによる大規模な「振り込め詐欺団」事件で、被害金の引き出し役をしていたとして詐欺罪などに問われた東京都豊島区東池袋、無職、瀬古佳久被告（２２）の公判が１５日、山口地裁萩支部（府内覚裁判官）であった。検察側は冒頭陳述などで、瀬古被告が口座から金の引き出しを専門に担当する「下ろし屋」と呼ばれ、少なくとも５億３０００万円を詐欺団に渡して３％の報酬（約１５５０万円）を受け取っていたと指摘した。
　検察側冒頭陳述によると、瀬古被告は詐欺団のメンバー３人と共謀。昨年７〜８月、低融資をうたうダイレクトメールを見て、融資を申し込んできた岩国市の女性ら２人に「融資を受けるには保証料が必要」などとうそを言い、計約８０万円をだまし取った。瀬古被告は銀行から全額を引き出した。瀬古被告は０３年８月ごろから詐欺にかかわるようになり、昨年３月ごろからは引き出し役を任された。通帳約７０枚を管理し、引き出した金を詐欺団に上納していた。
　瀬古被告はこの日、起訴事実の認否で、「間違いありません」と全面的に認めた。【島田信幸】

４月１６日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050416-00000219-mailo-l35