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2005年04月16日(土) 18時39分

<振り込め詐欺>あの手この手、暴力団の関与実態明らかに毎日新聞

 多発する「振り込め詐欺」事件に暴力団が組織的に関与している実態が、警察当局の捜査で明らかになってきた。ATM(現金自動受払機)で振り込める上限額ぎりぎりを要求したり、会社を模してピラミッド型に「社長」「店員」などで組織するなど、新たな手口やシステムが編み出されている。1年間で20億円以上を荒稼ぎしたグループもある。年末年始の偽札事件でも暴力団の組織的関与が明らかになっており、新たな資金稼ぎの場を求める暴力団の姿が浮かぶ。【三木陽介、石丸整】
 「ご主人が交通事故を起こした。相手は妊婦で破水した。示談しないと交通刑務所に行くことになる」。警察官を装って示談金名目で金を振り込ませる事件が昨年から急増した。この手口をマニュアル化して組織的に詐欺を繰り返していたグループのリーダー格の男が4日、警視庁、茨城、愛知県警の合同捜査本部に詐欺容疑で逮捕された。
 男は住吉会系暴力団組員、宇田川芳明容疑者(22)。数十人規模のグループで、詐取総額は昨年1月ごろから20億円を超えるとみられる。
 要求額は決まって499万円。「入院費が月39万円。ほかに医療費210万円、事後補償費250万円。合計499万円振り込んでくれ」と求めた。警視庁捜査2課は「ATMで1回に振り込める上限額が500万円の銀行もあり、この額を設定したのだろう」と分析する。
 警察庁によると、昨年の振り込め詐欺の被害総額は約284億円。うち電話で家族などを装うおれおれ詐欺は全体の3分の2を占め、前年の4倍を超えた。当初は肉親を装う単純な手口だったが、昨年以降は警察官、弁護士役が登場する「劇団型」が主流。捜査幹部は「宇田川容疑者のグループが妊婦を被害者にした事故示談金名目の手口を生み出し、全国に広がったのでは」とみている。
 一方で、厳しい懐事情も、暴力団の組織的関与の背景にはあるようだ。
 「これからは頭を使って稼げ」。山口組系暴力団の日影修治組長(45)=詐欺罪で懲役2年、執行猶予4年が確定=は、日ごろから配下の組員に命じていたという。警視庁、群馬県警の合同捜査本部は昨年10月〜今年1月、日影組長と組員4人を恐喝、詐欺容疑で逮捕した。口座調達役、電話役、引き出し役などと役割分担し、03年9月ごろからおれおれ恐喝で計1億6000万円を振り込ませたとみられている。同組長はヤミ金融から振り込め詐欺へと資金稼ぎを移行したという。
 また、1月に警視庁、山口、大分県警の合同捜査本部に摘発された詐欺団は、住吉会系暴力団関係者を頂点に、総括社長、グループ社長、店長、店員などと組織を構成。店ごとに月1000万円のノルマを課していた。
 組員らは振り込め詐欺で得た金を上部組織に「上納」している疑いがあり、警察当局は実態解明を進めている。
(毎日新聞) - 4月16日18時39分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050416-00000087-mai-soci