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2005年04月15日(金) 03時09分

都内の薬局 麻薬を取り違えホスピス患者に処方 都が行政指導産経新聞

 東京都内の調剤薬局で、薬剤師が末期治療のためホスピス(緩和ケア病棟)に入院していた患者に、咳(せき)止め用の麻薬指定の薬剤と間違えて、鎮痛作用の強い別の麻薬を処方していたことが十四日、分かった。患者は薬をもらってから約二カ月後に亡くなったが、主治医は「薬の間違いは患者の余命に影響を与えていない」との見解を示している。報告を受けた東京都は、薬局に対し薬事法に基づく行政指導を行うとともに、患者と薬剤師が共同で薬を確認するよう呼びかけた。
 都などによると、薬の取り違えが起きたのは平成十五年三月。東京・多摩地区の調剤薬局がホスピスに入院中だった患者に、鎮咳(ちんがい)効果のある麻薬「リン酸コデイン」を二十一錠調剤すべきところ、誤って鎮痛作用の強い麻薬「塩酸モルヒネ」を二十一錠渡した。
 患者は同年五月に死亡したが、その後、麻薬の帳簿と在庫の数量が合わないため薬局側が調べた結果、取り違えが分かり、都に届け出た。
 この薬局は麻薬の調剤を年に数回しかしないため経験が少なかったうえ、瓶や箱に記載された薬名が小さく、色や大きさが似ていたため、薬剤師が見誤ったという。
     ◇
≪8年以降 調剤過誤は188件≫
 都に寄せられるこうした調剤過誤に関する苦情は八年以降、百八十八件に上る。薬の取り違えが最も多く七十四件で、ほかは、薬袋や情報提供文書のミスなど。計数や秤量(しょうりょう)ミスも三十四件起きている。
 薬の名前が似ていることによる取り違えが多く、アレルギー性疾患薬の「ダレン」を調剤すべきなのに、末梢(まっしょう)性筋弛緩(しかん)薬「ダントリウム」を渡したケースもあった。
 十三年には、妊娠九カ月の女性が切迫早産の治療薬を求めたところ、人工中絶などで使用する子宮収縮促進薬を渡されて、入院する事故も起きた。
 都によると、調剤過誤はインフォームドコンセント(十分な説明と合意)の普及に伴い、薬剤師が薬の効能を説明する際に発覚するケースが増えている。調剤過誤の大半が薬剤師の勘違いや不注意で起きている実情から、都では「患者さん自身も確認の徹底をし、少しでも疑問に思ったらすぐに相談してほしい」としている。
(産経新聞) - 4月15日3時9分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050415-00000020-san-soci