2005年04月13日(水) 14時39分

＜放送倫理＞番組で強引キス　テレビ大阪コーナー打ち切る　（毎日新聞）

　テレビ大阪（大阪市）が今年３月まで放送していた深夜番組「フットボール“汗（あせ）”」のコーナーで、名古屋市の女性（当時２０歳）が、無理やりキスされそうになったとして、放送倫理・番組向上機構（ＢＰＯ）に訴えていたことが分かった。同テレビは「行き過ぎがあった」と謝罪し、このコーナーを昨年末に打ち切った。
　同テレビなどによると、番組は人気お笑いコンビ「フットボールアワー」が出演し、街角で女性に声をかけて、相手が応じればキスするコーナー。
　昨年１２月に、フットボールアワーの岩尾望さん（２９）と後藤輝基さん（３０）の２人が女性２人組に声をかけ、岩尾さんが「キスさせてほしい」と頼んだ。女性は拒否したが、岩尾さんが覆いかぶさるようにキスしようとしたという。後日、女性が電話で抗議し、この場面は放送されなかった。
　その後、女性はＢＰＯに訴え、ＢＰＯの「放送と人権等権利に関する委員会」が人権侵害にあたる可能性があるとして、テレビ大阪に女性と話し合うよう適切な対応を求めた。テレビ大阪は女性に謝罪し、コーナー打ち切りや再発防止を条件に和解した。【北林靖彦、丹野恒一】
　▽テレビ大阪の岡村正信・法務考査室長の話　演出方法に問題があった。今後、同じような問題が起きないよう、研修などで徹底していく。
　◇ことば◇　ＢＰＯ（放送倫理・番組向上機構）　ＮＨＫと民放によって設立され、放送による人権侵害の救済や放送倫理のあり方を話し合う第三者機関。０３年７月、「放送と人権等権利に関する委員会」「放送と青少年に関する委員会」「放送番組委員会」の３団体が統合して発足した。理事長は清水英夫・青山学院大名誉教授。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050413-00000042-mai-soci