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2005年04月07日(木) 00時00分

厚岸のカキ3トン、無残町のゴミ焼却に捨てられるカキ=6日午後3時半ごろ、釧路支庁厚岸町太田村で朝日新聞・




貝毒無情


  釧路支庁厚岸町で水揚げされたカキから国の規制値を大幅に上回るまひ性貝毒が検出されたことを受け、厚岸漁協は6日、自主回収したカキ約3トンを処分した。隣の昆布森漁協(同支庁釧路町)と合わせ、道が同日までに把握した両漁協の出荷量は約19トン(殻付き換算)。さらに漁業者の直販分があり、回収しなければならない全体量の確認を急いでいる。一方、厚岸産は首都圏でも人気のブランドで、専門店では急きょメニューから外すなど対応に追われた。

手塩の3トン処分


  厚岸漁協は6日までに、殻付き約1万9千個とむき身630袋(1袋500グラム)の計約3トンを回収。殻付きは漁協職員らがトラックで町の焼却処分場に運び一般ごみとして処分、むき身は釧路町内の民間処分場で産業廃棄物として処理した。

  殻付きは搬出の直前まで水槽に入れられていた。ある職員は「せっかく育てたのに」と寂しそうに話していた。同漁協の佐藤友三・職務代行理事は「消費者の方々にご迷惑をおかけして申し訳ない。今後は検査態勢を更に厳しくし、万全を期したい」と話した。

店の看板消え悲鳴


  厚岸町の中核観光施設「コンキリエ」では、レストランとバーベキューコーナーのメニューから人気のカキを外した。小寺勉支配人は「観光客はカキを目当てに町に来る。観光に与える影響も大きく、なんとか大型連休までには復活してほしい」と話していた。

  厚岸産のカキを専門に扱う札幌市中央区のオイスターダイニング「ぎゃんと」は5日に店内の160個すべてを回収。今道内で水揚げしている渡島支庁の知内産を手当てしたが入荷は6日からで、5日はやむなく休業した。岩清水藤巳店長は「ただ知内産の水揚げは5月まで。厚岸の再出荷が遅れれば売るカキがなく、店を開けられない」と早い再出荷を願う。

  東京のJR品川駅ビルに入るグランド・セントラル・オイスターバー&レストランも5日にメニューから厚岸産を外した。ニューヨークにあるカキ専門店の日本店で、昨年11月から国内外の有名銘柄と一緒に純厚岸産カキ「カキえもん」を販売。販売個数は12月以降毎月トップで、3月は同店で最高の5300個を記録した。知名度も上がり、売り上げも好調だっただけに、スタッフは残念がっていた。

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アサリ・ホッキ 「毒素未検出」


  まひ性貝毒はカキなどの二枚貝特有の貝毒のため、厚岸漁協は現在水揚げしているアサリを、浜中漁協(同支庁浜中町)はアサリとホッキを検査に回していたが、6日に貝毒未検出の連絡を受けた。

  貝毒の原因となる毒素を持つ植物プランクトンは冷水の刺激で増殖するともいわれるため、道などは貝毒が発生したカキの養殖海域4カ所で海水の温度や塩分などを調べている。

  一方、厚岸、昆布森両漁協が先月30日から4日までに出荷したカキの量は、殻付き換算で厚岸漁協が16・3トン、昆布森漁協が2・7トンとわかった。国の調査では、全国のカキの生産量は殻付き換算で約22万トン(02年)。1位は広島県で全体の半分近くを占め、北海道は約4千トンで7位。厚岸町は道内生産量の約4割を占める。



(4/7)

http://mytown.asahi.com/hokkaido/news01.asp?kiji=8507