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2005年04月01日(金) 07時05分

カキ産地、元素で識別 大越・石巻専修大教授が解明河北新報

 韓国産カキをめぐる産地偽装疑惑に関連し、カキのエラの部分に含まれる微量元素を分析することで、産地を識別できることを、石巻専修大の大越健嗣教授(水産増殖学)が突き止めた。31日に東京都港区の東京海洋大で開かれた日本水産学会のシンポジウムで発表した。カキの採取海域によってDNAに特徴があることも既に明らかになっており、大越教授らはこうした手法と組み合わせ、本年度中に産地識別法を実用化させる方針だ。

 大越教授によると、生ガキのうち、汚染の可能性が小さいエラの部分を重視。サンプルを傷つけない「蛍光X線分析法」など2つの手法を用い、2002—04年度に宮城県牡鹿半島の北側と南側、韓国南部の2つの海域の計4地域で採取されたカキのエラに含まれるニッケルやコバルトなどの微量元素を分析した。

 その結果、各海域のカキには採取された年度別に元素組成に特徴があることが判明した。数種類の元素の組み合わせから、宮城産と韓国産の採取海域を具体的に見分けることが可能になった。同じ宮城産でも牡鹿半島北側と南側でも元素組成に違いがみられるという。

 大越教授は「毎年、特定海域のカキの元素濃度を測定し、データを蓄積すれば、組成パターンから外れたサンプルは、産地偽装の疑いが強いと言える」と強調した。

 カキの産地偽装を抑止するため、02年3月に宮城県で表面化した韓国産の宮城産への偽装を教訓に、各研究機関が産地識別研究を進めている。

 今年に入って、DNAの塩基配列の特徴から産地識別に応用できることを、独立行政法人水産総合研究センター東北区水産研究所(塩釜市)が明らかにした。宮城県水産研究開発センター(石巻市)もカキに含まれる3種類の脂肪酸の割合が、宮城産と韓国産では大きく異なるという研究成果を発表している。
(河北新報) - 4月1日7時5分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050401-00000007-khk-toh